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採用のプロが教える企業研究と業界研究の重要性

採用のプロが教える企業研究と業界研究の重要性

 

転職をする際は、企業研究や業界研究を行うようにすすめられます。しかし、まだ在職中であることも多いため、忙しくて企業や業界についてじっくり調べる時間がなかなか取れないということもあるでしょう。

 

それでも転職を成功させたいなら企業研究や業界研究をすることは欠かせません。

 

そこで、その理由や企業研究、業界研究をする際のポイントについて、新卒をグループ全体で年間1,000人規模で採用をしている超大手人材会社の現役人事担当者に詳しく聞いてみました。

 

編集渡辺
今回は、私の前職でもある大手人材会社の人事部マネジャーである「山田さん(仮名)」にインタビューをしました。

 

 

1.転職は企業のニーズに合っていることが重要

 

転職では企業の求める人物像に一致することが必要です。そのことと企業研究を行うことにはどのような関連があるのでしょうか。山田さんに企業研究をすすめる理由を聞いてみましょう。

 

―― 転職で企業研究が必要な理由はなんでしょうか?

 

山田さん 一言でいうと企業とのミスマッチを防ぐためです。

 

ポテンシャル採用や幅広い職種への配属が多い新卒採用と異なり、中途採用は欲しい人物像や求められているスキル、募集されている職種がある程度固まっています。

 

企業研究を行わずに転職に挑んでしまうと、求められているものと転職して達成したかったものがズレていることに入社後に気づく、なんてことが起きてしまうかもしれません。

 

―― そうなってしまうと採用が決まっても転職に成功した、とは言い難くなってしまいますね。

 

山田さん それに、面接で自己PRや転職理由、志望動機などを話す際に、企業のニーズに沿って強調するポイントを選ぶ必要があります。そのためにも企業が求めているスキル、経歴をリサーチしなければいけません。

 

転職後に活躍できる企業を選ぶため、また企業の求める人材だとアピールするためにも、企業研究をする際には「企業が求めているもの」「それに応えるために活かせる自分の強み」という点を意識することをおすすめします。

 

 

2.あらゆる情報源から企業研究ができる

 

企業研究の必要性や行う際に考えるべきポイントは「企業と自分のスキルのマッチ性」だと話す山田さん。実りある企業研究を行うためには、幅広い情報を集めることが大切だそうです。

 

―― 企業について詳しく調べるためにはどうすればいいのでしょうか?

 

山田さん 企業のホームページから理念や創業の成り立ちなど基本的な情報を把握しておくのはもちろんのこと、IR情報などから企業の経営状況や将来性なども読み込んでおくといいでしょう。

 

仕事内容や現在活躍している人の特徴を知るために、リクルートページをチェックするのもおすすめです。さまざまな部署で働いている人のインタビューや業務内容、その仕事のやりがいなど実際の声が聞けるので、転職後の働く姿をイメージしやすくなるでしょう。

 

また、経済誌などのメディアに取り上げられている情報や経営者のインタビューなども企業が求めている人材を知るヒントになります。

 

―― 企業研究できる材料はいろんなところにあるんですね。

 

山田さん そうなんです。新卒採用向けのページなど転職には関係ないと思わず、企業のさまざまな情報を取り入れてください。

 

企業が企画する転職者向けのイベントやカジュアル面接に行ったり、転職アドバイザーに相談したりと積極的に行動すれば、一般には公開されていない情報にも触れられて、企業の本心により近づけます。

 

そういった意味では選考過程も企業研究を深められるチャンスなんですよ。

 

―― 選考過程もですか?

 

山田さん 求められているスキルの程度やポジションと年収、スキルアップの流れなど事前のリサーチでは正確にわからない部分もありますよね。そういった点は面接で企業に直接聞いてしまえばいいんです。

 

もちろん一通りの企業研究を前もって行う必要はありますが、気になる企業は積極的に応募し、面接を通してより理解を深められます。転職を成功させるにはまず行動することが大切です。

 

 

3.業界についての知識も欠かせない

 

企業研究の大切さを聞き進めていくと、次第に業界研究の重要さも明らかになってきました。企業研究と似ているようですが、「業界」を意識してリサーチすることも大切なようです。

 

―― 業界研究は転職においてどのような意味があるのでしょうか?

 

山田さん これまでの自分のスキル、経験を生かせることが転職の強みともなるので、志望する業界では何が必要なのか知っていなければ効果的なアピールができません。

 

特に異業界への転職であれば、なぜその業界に転職したいと思ったのか転職理由を述べる際にも業界についての知識が必要です。

 

「~~な経験を活かして~~ができると思い、この業界に興味を持った」などアピールするときに業界の特徴とはまったく関係ないことを言ってしまっては、「求めているスキルを持っている人材だけど、この業界では思ったようなパフォーマンスができないのでは」と適性がないと思われてしまうでしょう。

 

業界研究による知識をベースに、企業研究で応募する企業ごとの対策を練ることが大切です。

 

 

4.まとめ

 

希望する企業へ転職したいのなら、まずその業界について正しく知り、必要な特性やスキルを把握している必要があります。

 

それをベースにその企業で自分が本当に活躍できるのか、社風や求められている人物像とマッチしているか考えることが転職を成功させるポイント。適性に合った企業を選び、自分の強みを効果的にアピールするためにも転職前にはしっかり業界研究と企業研究を行うようにしましょう。

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面接官のホンネ 管理人

アラフォーの管理職。二人の娘がいます。 新卒・中途採用に10年以上携わり、安定を手にするために私自身も転職。次世代に知識と経験の継承を目的として「リアルな現場の声」をテーマに、“面接官のホンネ”を立ち上げました。わかりやすく採用現場の本音をお届けします。

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