転職では経歴をできるだけ大きく話した方が良い、正直に言いにくかったら嘘をつくのもアリ、など面接で嘘をつくのは仕方ないと考える人もいますが、面接で嘘をつくことには大きなリスクが伴います。嘘が原因で転職活動といいますか、人生に大きな影響がでるやもしれません。
面接での嘘を避けるために、嘘に伴うリスクを知っておきましょう。またそのようなリスクを背負わないために、嘘をつかずに面接での質疑を行う対策を紹介します。
入社することを目的として誇張するために嘘の武装をすると、このように期待値との乖離から簡単に見放されてしまいます。
1.面接でつく嘘はいずれバレてしまう
面接で自分の印象を良くしようと、話を盛ったり事実を隠したりしたいという気持ちから「嘘」は生まれます。しかし面接の嘘は隠し通せないと思ってください。
面接で「嘘」とされるのは、経歴や職歴、勤続年数、資格、学歴、年収などが事実と異なる場合です。ありがちな嘘としては、勉強中の資格を持っているかのように言う、勤続年数を長くする、架空の実績や経験を作り上げる、中退しているのに「卒業」と言う、などがあげられます。
こういった年収や前職についての情報は入社時に提出する源泉徴収票や雇用保険被保険証などの書類で真偽が確認できます。資格の有無は内定後に証明書の提出を求められるかもしれません。
書類で証明できない内容であっても、数多くの転職者の選考をしてきた採用担当者は嘘を見破る能力に長けています。応募者のちょっとした挙動から「怪しい」と思えば、そこを深く質問され、話の辻褄が合わなくなってくるでしょう。これくらい話をごまかしてもバレないだろうと安易に考えないように注意が必要です。
2.転職面接での嘘がこれまでの努力を台無しにすることも
面接での「嘘」は転職活動が台無しになってしまう大きなリスクがあります。考えられるリスク3つを見てみましょう。
①.転職後も背負わなければいけない
面接でこれまでの経験や表彰実績に嘘を織り交ぜ、大げさに自己PRをしてしまうと、ハードルが上がってしまい入社後実力以上のことを期待されてしまうため、自分の首を絞めることになります。
また資格や経歴の嘘だと、面接の内容を知っている上司に話を振られたら嘘に嘘を重ねて、同僚や上司に隠し通し続けなければいけません。
嘘をついて内定をもらっても、それを背負って働き続けなければいけないので、せっかくの転職に影を落としてしまうでしょう。
現在39歳になりましたが、退職後コロナの影響もあり約半年間、次の働き先が決まらないでいます。
入社はゴールではありません。スタートです。それを忘れてはなりません。
②.面接の選考に悪影響を及ぼす
面接中に嘘が明らかになったら、嘘の大小関わりなく「不誠実な人」という印象が残ります。
その場で嘘が暴かれなかったとしても、面接後の調査で判明したら選考にはかなり不利な状況です。
(特に業務に必要な資格の場合は、資格の発行元に確認を行います。)
嘘をつく人は社会人として信頼を失うため、採用される可能性はありません。転職を成功させたい、と思って付いた嘘が、不採用を招いてしまうのです。
③.最悪の場合は懲戒免職もありえる
入社手続き時の提出書類や調査から嘘が明らかになったら、経歴詐称として「内定取り消し」になることがあります。特に資格や専門知識など採用の決め手になるような内容だと、取り消されます。
また過去に、建築会社で1級建築士と偽って採用され働いていたというニュースがありました。
建築士免許偽造容疑で捜索がされ、企業も庇ってはくれず懲戒免職になったと記憶しています。
これは入社後の試用期間に判明した場合も同様です。「解雇」もしくは、学歴や職歴など悪質な嘘だと「懲戒免職」もありえます。懲戒免職になると次回の転職活動時、履歴書に記載しなければならず、転職先を再度見つけるのに影響を及ぼすと覚悟してください。
3.面接の答えにくい質問は「嘘」をつかずに答える
職歴が短い転職の場合、アピールできる実績が少なくて、話を盛ってしまうかもしれません。話しているうちに「嘘」をついてしまわないように、事前に自分のアピールポイントをまとめておくことが大切です。
これまで関わったプロジェクトや仕事内容を振り返ってみましょう。サポート業務でもそこから得た成果や学んだことを話すのは嘘にはならないので、アピールできるポイントです。また過去の結果だけにとらわれず、勉強していることや将来のビジョンなど未来に重点を置いて考えるといいでしょう。
「第一志望はうちの会社ですか?」「転職理由な何ですか?」と言ったストレートに答えにくい質問は、嘘にはならない巧みな言い方で答えるようにします。
例えば第一志望でないなら「他にも受けている会社はありますが、御社の○○に魅力を感じ、働きたいと思っています」という答え方ができるでしょう。「残業が多かった」というネガティブな転職理由も、「スキルアップのための時間を取れる環境でキャリアアップを目指したい」というポジティブな言い方で伝えられます。
こういった「本音と建て前」を使い分けるのも、ビジネスパーソンとして必要な技術です。嘘をつかなくても面接の受け答えは可能なので、安易な嘘で転職活動に影を落とすことは避けてください。
4.まとめ
企業によっては、面接後に経歴調査を行なったり、SNSをチェックしたりすることもあり、企業側も転職者の嘘には神経をとがらせています。嘘がバレたときのリスクは大きく、「嘘も方便」なんて甘い見方はしてくれません。
面接では多少の嘘は必要、という考えに惑わされず、入社後も気持ちよく仕事ができるよう嘘をつかずに答えるテクニックを身に着けて面接にのぞみましょう。