ビジネスシーンにおいて、正しい言葉遣いをすることは、円滑な人間関係を築く基本です。それは社内だけではなく、社外においても同じことがいえます。きちんとした言葉遣いができないと、「その程度の会社」と思われてしまう可能性もあります。
今回は、正しい言葉遣いの基本となる、敬語について説明します。まずはビジネスの場にふさわしい、敬語の使い方をしっかり押さえておきましょう。
1.敬語はビジネスマナーには欠かせない
「ちょっと待ってて」と「少々お待ちください」は、言ってる意味は同じですが、受ける印象はまったく異なります。友人や家族に対する言葉遣いと、ビジネスの場で使う言葉は全くの別ものです。
ビジネスでは、相手を常に敬い、丁寧に話すことが求められます。思いやりを込め、適切な敬語を話すことは、仕事での人間関係を適切に築いていくために重要なことです。敬語をきちんと使用できなければ、あなたの教養を疑われるだけではなく、会社自体のレベルが低いと思われてしまうかもしれません。
ビジネスシーンでは、適切な敬語を使えるようになっておきましょう。
2.敬語の種類を押さえよう
普段何気なく使っている敬語には、以下の3種類があります。それぞれの違いを押さえておきましょう。
- 丁寧語
- 尊敬語
- 謙譲語
①覚えておきたい丁寧語
丁寧語は、立場の上下に関係なく、相手に対して丁寧に接するときに使う表現です。基本的には、語尾に「です」「ます」「〜でございます」などを使用し、丁寧に話します。
<覚えておきたい丁寧語>
言う → 言います
話す → 話します
見る → 見ます
聞く → 聞きます
行く → 行きます
来る → 来ます
する → します
読む → 読みます
②覚えておきたい尊敬語
尊敬語は、話をしている相手を敬って使う言葉で、相手が自分より目上のときに使用します。相手の動作や状態に対して使うことが基本です。
<覚えておきたい尊敬語>
言う → おっしゃる
話す → おっしゃる・お話になる
見る → ご覧になる
聞く → お聞きになる
行く → 行かれる・いらっしゃる・おいでになる
来る → お見えになる
する → なさる・される
読む → お読みになる
③覚えておきたい謙譲語
謙譲語は、話をしている相手に対して、自分をへりくだって使う言葉です。自分の動作や状態に対して使います。
<覚えておきたい謙譲語>
言う → 申し上げる・申す
話す → 申し上げる・申す
見る → 拝見する
聞く → 伺う・拝聴する
行く → 伺う
来る → 参る
する → いたす
読む → 拝読する
3.ビジネスマナーとして知っておきたい言葉遣い
ビジネスの現場では、知っておかないと恥ずかしい言葉遣いがあります。ビジネスマナーの基本とされる表現は、しっかり押さえておきましょう。
①自分の呼称
ビジネスの現場では、自分のことは「あたし」「ぼく」「オレ」などと表現するのはマナー違反です。稚拙な印象を与えてしまうので、避けるようにしましょう。
自分のことは男女関係なく「わたし」「わたくし」と言うようにしてください。
②外部に対しての上司の呼び方
職場内では上司に対して尊敬語を使用しますが、外部の人に対して、自分の会社や自社の人間に敬語を使うと失礼とされます。たとえ上司であっても、「○○部長はお出かけになられています」とはせず、「○○は出かけております」と呼び捨てにし、敬語は使用しないのがマナーです。
一般的に、役職名のあとに名前を伝えます。「○○社長は」とせず、「社長の○○は」「代表の〇〇は」と呼び捨てにするようにしてください。
③相手の会社と自分の会社の呼び方
相手の会社については、敬称で呼ぶのがマナーです。会話では「御社」と呼び、文書では「貴社」を使います。
また、自分の会社についても「弊社」とへりくだって言うか、「当社」と言うようにしてください。
④同意を表す表現
同意を表現するときには、「かしこまりました」もしくは「承知いたしました」がビジネスの場には適しています。
「オッケー」は論外ですが、「わかりました」「了解です」は軽く使いがちな言葉です。ビジネスマナーとしては不合格なので、目上の方に対して使用しないよう気をつけましょう。
⑤謝罪の表現
仕事でミスをしたときなどに謝罪するときには、「申し訳ございません」と言うようにしましょう。「ごめんなさい」「すみません」はビジネスマナーに合っていないうえ、軽く聞こえるので、謝罪に誠意がこもっていないと思われてしまうかもしれません。
4.まとめ
ビジネスシーンでは、状況に応じて適切な敬語を使い分けることが大切です。慣れないうちはとくに、対外的に上司を呼び捨てにすることに違和感があるかもしれませんが、自社の人間に対して敬称をつけると、かえって相手に失礼です。
適切な敬語が使えると、ビジネスパーソンとしての自分の価値も高まります。敬語をきちんと使用して、ビジネスの場で円滑なコミュニケーションを取るようにしてください。