2大航空会社の一つで、国内線132路線、国際線79路線の計211路線を持っています。
1951年設立。米同時多発テロなどによる需要減と無理な拡大路線が重なり2010年に経営破綻し、公的資金を投入しました。その後、大幅な従業員削減・路線廃止などの痛みを伴う経営改革を行い、2012年に東証一部に再上場を果たしました。近年は海外企業との提携で国際線を拡大しています。また、カンタス航空等と合弁でLCCのジェットスター・ジャパンを展開。中長距離LCCの子会社ジップエア・トーキョーは20年に運航を開始しました。
今回はこの「日本航空(JAL)」の収入という観点に迫ります。
有価証券報告書に記載されている平均年収・平均年齢から、当メディア独自の算出により生涯賃金も割り出しています。
新卒採用の難易度、転職採用の難易度、そして学歴フィルター情報も参考にしてください。
1.日本航空(JAL)の平均年収は678万円
2021年の日本航空(JAL)の年収の平均は678万円、職種別にみると地上職員は488万円、運航乗務員は1770万円、客室乗務員は564万円(有価証券報告書調べ)となっています。従業員数は13,787人、平均年齢39.2歳です。ただしこれは一般職を含めた平均年収。当メディアの独自調査結果によりますと、総合職のみの平均年収は推定600~800万円程度と予測されます。
(1) 日本航空(JAL)の平均年収 推移(2013年から)
平均年収 | 日本航空(JAL) | 業界の平均 | 上場企業平均 | ||||||||||||||||||||||||||||
2010年 | - | 728万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
2011年 | - | 752万円 | 563万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2012年 | - | 628万円 | 570万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2013年 | 672万円 | 647万円 | 571万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2014年 | 690万円 | 638万円 | 577万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2015年 | 736万円 | 703万円 | 588万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2016年 | 761万円 | 729万円 | 594万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2017年 | 859万円 | 764万円 | 598万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2018年 | 867万円 | 743万円 | 605万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2019年 | 828万円 | 735万円 | 612万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2020年 | 839万円 | 725万円 | 614万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2021年 | 678万円 | 581万円 | 603万円 |
今回は、2大航空会社の一つ日本航空(JAL)の年収推移をグラフ化しました。
計測は2013年から2021年まで。
日本航空(JAL)では2013年から2021年の9年間での平均年収の上昇額は7万円(101%)となっています。
2020年までは順調に上昇していましたが、2021年はコロナの影響が大きく出ました。
空運業界の同じ9年間の上昇平均は-66万円(90%)、上場企業の平均では11年間で40万円(107%)です。
新型コロナウイルスの世界的な大流行はさまざまな業界に打撃を与えましたが、特に影響が大きかったのが航空業界です。
全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)の2大キャリアの国際線は、フライトが2019年と比べて9割以上も減少しました。国内線は「GoToトラベル」でわずかに回復しましたが、その後も緊急事態宣言が続き、更なる需要減に直面しました。
21年3月期の連結決算では、ANAホールディングスが最終損失4046億円、日本航空(JAL)が2866億円といずれも巨額の最終赤字を計上しています。
また、インバウンド(訪日外国人)需要や東京五輪・パラリンピック開催における収益も期待通りには伸びず未曾有の危機に瀕しました。
ただ、両社とも2020年度内に数千億規模の公募増資に踏み切り、財務の大幅な悪化は回避しています。
そして給与やボーナスのカットはしても専門性が高く貴重な人材であるパイロットや客室乗務員、整備員等の人員削減は行わない方針を示し、航空事業で効率化を図るとともに、非航空事業としてプラットフォームビジネスや非稼働の航空機を使った遊覧飛行や機内レストランなどといった新事業にも積極的に取り組んでいます。
(2) 日本航空(JAL)の生涯賃金 推移(2013年から)
生涯賃金 | 日本航空(JAL) | 上場企業の平均 | 上場平均との差額 | ||||||||||||||||||||||||||||
2010年 | - | - | |||||||||||||||||||||||||||||
2011年 | - | 2億2450万円 | - | ||||||||||||||||||||||||||||
2012年 | - | 2億2729万円 | - | ||||||||||||||||||||||||||||
2013年 | 2億6288万円 | 2億2939万円 | 3349万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2014年 | 2億6984万円 | 2億3185万円 | 3799万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2015年 | 2億8776万円 | 2億3631万円 | 5145万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2016年 | 2億9754万円 | 2億3897万円 | 5857万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2017年 | 3億3624万円 | 2億4046万円 | 9578万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2018年 | 3億3910万円 | 2億4320万円 | 9590万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2019年 | 3億2376万円 | 2億4610万円 | 7766万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2020年 | 3億2588万円 | 2億4481万円 | 8107万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2021年 | 2億6340万円 | 2億3421万円 | 2920万円 |
日本航空(JAL)に新卒入社をしてから60歳まで勤務をした場合
2億6,340万円の収入を得る事ができます。
日本の上場企業の生涯賃金との差額は、2021年時点で2,920万円。
おおよそ日本の平均と同じくらいの生活をおくれるといえます。
(3) 日本航空(JAL)の平均年収を業界と比較
業界プレイヤー | 平均年収 | 生涯賃金 | |||||||||||||||||||||||||||||
日本航空(JAL) | 678万円 | 2億6340万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
全日本空輸(ANA) | 564万円 | 2億1887万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
スターフライヤー | 500万円 | 1億9414万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
上場平均 | 603万円 | 2億3421万円 |
今回は、上場している空運会社3社(日本航空、全日本空輸、スターフライヤー)の平均と、日本航空(JAL)年収推移を比較しました。
結論、日本航空(JAL)は業界平均の1.17倍、上場企業の平均年収と比べると約1.12倍の収入となっています。
(4) 日本航空(JAL)の年収カースト
日本航空(JAL)の年収は678万円なので、カーストは“1人暮らし貴族”です。
東京商工リサーチが日本の上場企業1841社を調査した所、平均年収600万円台の企業は527社で、一番多く、上場企業の中でも平均的な年収といえます。
2.日本航空(JAL)の給与制度/年収推移
2021年の日本航空(JAL)の年収の平均は678万円、職種別にみると地上職員は488万円、運航乗務員は1770万円、客室乗務員は564万円(有価証券報告書調べ)となっています。従業員数は13,787人、平均年齢39.2歳です。ただしこれは一般職を含めた平均年収。当メディアの独自調査結果によりますと、総合職のみの平均年収は推定600~800万円程度と予測されます。
(1) 日本航空(JAL)の勤続状況の推移
年 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | |||||||||||||||||||||||||||||
2010年 | - | 9.9年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2011年 | - | 10.6年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2012年 | - | 10.9年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2013年 | 40.1歳 | 14.3年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2014年 | 38.9歳 | 13.5年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2015年 | 38.7歳 | 14.4年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2016年 | 39.5歳 | 13.9年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2017年 | 39.6歳 | 14.2年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2018年 | 40.1歳 | 15.2年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2019年 | 39.9歳 | 15.0年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2020年 | 39.3歳 | 14.5年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2021年 | 39.2歳 | 14.5年 |
日本航空(JAL)の平均年齢、平均勤続年数はここ数年大きな増減をしておらず、一定といえます。
これは定年退職以外の退職が少ない企業の特徴です。
これまでの終身雇用型企業の平均年齢が42歳前後 平均勤続年数は18-19年です。
日本航空(JAL)もほぼこれに当てはまります。
ただ、日本型企業の最大の特性でもあった「終身雇用」が揺らぎ始めている現在、今後も「終身雇用」が続けられるのかは各企業の努力によります。
(2) 日本航空(JAL)の年齢別の年収推移
平均年収から年齢別の推定年収を算出しました。
年齢 | 日本航空(JAL)の推定年収 | 上場企業の平均年収 | |||||||||||||||||||||||||||||
25歳 | 357万円 | 406万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
30歳 | 485万円 | 509万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
35歳 | 613万円 | 572万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
40歳 | 740万円 | 621万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
45歳 | 804万円 | 647万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
50歳 | 868万円 | 739万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
55歳 | 932万円 | 808万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
60歳 | 841万円 | 730万円 |
日本航空(JAL)の給与制度は、初任給が業務企画職(地上職 事務系/数理・IT系/技術系)障がい者選考は228,000円、運航乗務員訓練生(自社養成パイロット)は218,000円ですので、初年度は300-370万円ですが、最大年収を迎える50代の年収は840~1,020万円になります。
日本の上場企業の平均年収との比較するとその差は
25歳 -49万円
30歳 ー24万円
35歳 +41万円
40歳 +119万円
45歳 +157万円
50歳 +129万円
55歳 +124万円
60歳 +111万円
となり、日本航空(JAL)は日本の上場企業の平均より少し高い年収を得る事が可能です。
※一般的には役職定年が55-58歳になります。
55-58歳になると年収が25%ダウンする企業もありますが部長級以上だと、その限りではありません。
また親会社の場合、子会社への“転籍”を促されますが、転籍の場合は年収が30%ダウンします。
当メディアは順調に昇給・昇格した場合の推定値を算出しております。
次は役職ごとの年収をご覧ください。
(3) 日本航空(JAL)の役職別の年収推移
役職 | 年齢 | 推定年収 | |||||||||||||||||||||||||||||
役職なし | 23歳〜27歳 | 400万円~600万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
主任 | 28歳〜 | 600万円〜780万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
係長 | 32歳〜 | 800万円〜940万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
課長 | 37歳〜 | 1,000万円〜1,240万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
部長 | 45歳〜 | 1,300万円〜1,480万円 |
(openworkのデータを参考に編集部作成)
業務企画職はG2(主任)と呼ばれる階級に上がるまで手取り20万前後から上がらないようです。*
評価制度はあいまいで上司の主観が大きいという口コミが多く見られました。
(*はopenworkに寄せられた社員口コミを参考に編集部作成)
(4) 日本航空(JAL)の平均年収の口コミ情報
20代客室乗務員
評価制度: 曖昧な評価制度。約6年で昇格対象となる。6年目で評価がAであるタイミングで、ウマが合う上司であれば、最速昇格できるが、ウマが合わなければいつまでも上がれない。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
20万円 | 3万円 | 10万円 | 300万円 |
20代男性
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
26万円 | 10万円 | 60万円 | 500万円 |
30代男性
評価制度: 他部門との比較ができないが、上司はしっかり面倒を見てくれる。お人好しが多いため厳しい評価はされず、人数が多いこともあり中間評価に留まるものがほとんど。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
36万円 | 2万円 | 25万円 | 580万円 |
30代客室乗務員
評価制度: 細かく評価制度はあるように思うが、毎回同じメンバーで仕事をするわけではないので普段の働きぶりが全て評価に反映されるわけではない。上司へのアピール、気に入られるかどうか、人に恵まれるかが関わってくる。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
26万円 | 7万円 | 80万円 | 480万円 |
30代女性
評価制度: 他の企業もそうかもしれないが、上司の主観はかなり入る。評価されたら色々な部署での経験が積めたり、昇格も早いが、そうでなければずっとヒラのままである。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
30万円 | - | - | 600万円 |
40代女性
評価制度: 不満はない。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
- | - | - | 1200万円 |
(5) 日本航空(JAL)の福利厚生/待遇
日本航空(JAL)の福利厚生についてご紹介します。
就職・転職する時に求人票の情報だけでは、意思決定する時に情報が不足します。
実際に日本航空(JAL)での勤務経験のある社員や元社員の方の福利厚生に関する口コミ情報も併せて紹介します。
2021年 新卒採用の募集要項
手当 | 通勤費、時間外労働手当、深夜労働手当等 | ||||||||||||||||||||||||||||||
休日・休暇 | ■運航乗務員訓練生(自社養成パイロット) 原則として月間10日、年次有給休暇、慶弔特別休暇
■業務企画職(地上職 事務系/数理・IT系/技術系)障がい者選考 |
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保険 | 各種社会保険完備 | ||||||||||||||||||||||||||||||
福利厚生・諸制度 | ■産前・育児休職制度、配偶者転勤同行休職制度、介護休職制度ほか。 ■育児支援制度として小学校就学前の子を養育する社員には、深夜勤務免除、子の看護休暇、所定労働時間を超えて就業させない制度などあり。 ■寮・社宅制度 |
上記のほかにもワークライフバランス支援制度として全職種、または各職種ごとに様々な制度があり、働きやすい環境整備に取り組んでいるようです。
20代女性
オフィス環境: フライト前には学習スペースや休憩室が設けられており、準備するのに必要な環境が整っていた。休憩室にはCAならではのストッキングや髪の毛をまとめるシニヨンを購入できる自動販売機などもあった。
30代男性
オフィス環境: 本社ビルは大変清潔です。高層ビルの最上階のカフェなど、大企業らしい設備もありました。 一方で地方空港配属によってはあまり立地の良くない場合もありますし、整備場等での勤務となる可能性もあります。
30代女性
オフィス環境: 近年ほとんどの部署でフリーアドレスが導入されている。一部の社員がテレワークをする前提でレイアウトされているため、多くの社員が出社した日はなかなか席が見つからないこともある。
(en Lighthouseに寄せられた社員口コミを参考に編集部作成)