海運売上で国内首位の海運会社です。
明治18年(1885年)創業。前身は郵便汽船三菱です。現在は海運事業から総合物流事業へと裾野を拡げ、非海運事業からの収益が4割を占めるようになりました。子会社の日本航空貨物で航空機を保有し空運を手掛けるほか、航空貨物フォワーダー(貨物利用運送事業者)大手の郵船ロジスティクスを傘下に保有しています。2018年に商船三井、川崎汽船と統合したコンテナ船事業はコロナ禍による需給逼迫で順調に業績を伸ばしています。LNG船など運賃安定型事業を強化し、安全運航システムや省エネ化などの技術開発にも積極的に取り組んでいます。
今回は海運業の中でも「日本郵船」の収入という観点に迫ります。
有価証券報告書に記載されている平均年収・平均年齢から、当メディア独自の算出により生涯賃金も割り出しています。
新卒採用の難易度、転職採用の難易度、そして学歴フィルター情報も参考にしてください。
1.日本郵船の平均年収は955万円
2021年の日本郵船の年収の平均は、955万円(有価証券報告書調べ)、従業員数は連結で35,057人、単独では1,217人、平均年齢39.9歳です。ただしこれは一般職を含めた平均年収。当メディアの独自調査結果によりますと、総合職のみの平均年収は推定850~1,200万円程度と予測されます。
(1) 日本郵船の平均年収 推移(2010年から)
平均年収 | 日本郵船 | 業界平均 | 上場企業平均 | ||||||||||||||||||||||||||||
2010年 | 944万円 | 902万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
2011年 | 836万円 | 862万円 | 563万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2012年 | 984万円 | 895万円 | 570万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2013年 | 926万円 | 856万円 | 571万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2014年 | 975万円 | 865万円 | 577万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2015年 | 1,021万円 | 903万円 | 588万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2016年 | 1,037万円 | 923万円 | 594万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2017年 | 1,036万円 | 912万円 | 598万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2018年 | 972万円 | 888万円 | 605万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2019年 | 958万円 | 900万円 | 612万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2020年 | 935万円 | 910万円 | 614万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2021年 | 955万円 | 915万円 | 603万円 |
今回は、海運業の日本郵船の年収推移をグラフ化しました。
計測は2010年から2021年まで。
日本郵船では2021年の平均年収は2010年に比べて11万円の上昇(101%)となっています。
海運業の平均年収は12年間で13万円の上昇(101%)、また上場企業の平均年収は11年間で40万円の上昇(107%)となっています。
日本は海に囲まれた島国で、輸出入の99%以上(重量ベース)を海運が担っています。海運企業は近年、厳しい業績が続いていましたが、新型コロナの影響で巣ごもり需要により注文が増え、荷物の量は急増しました。また、感染者が増えたことによって港湾の作業員が不足し、港湾が混雑しコンテナ不足、スペース不足に陥りました。その結果海上運賃が高騰し、業界全体としては順調に業績を伸ばしつつあります。
(2) 日本郵船の生涯賃金 推移(2010年から)
生涯賃金 | 日本郵船 | 上場企業の平均 | 上場平均との差額 | ||||||||||||||||||||||||||||
2010年 | 3億6642万円 | - | |||||||||||||||||||||||||||||
2011年 | 3億2445万円 | 2億2450万円 | 9995万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2012年 | 3億8216万円 | 2億2729万円 | 1億5487万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2013年 | 3億6244万円 | 2億2939万円 | 1億3306万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2014年 | 3億8137万円 | 2億3185万円 | 1億4951万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2015年 | 3億9931万円 | 2億3631万円 | 1億6300万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2016年 | 4億0566万円 | 2億3897万円 | 1億6668万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2017年 | 4億0528万円 | 2億4046万円 | 1億6482万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2018年 | 3億8014万円 | 2億4320万円 | 1億3694万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2019年 | 3億7485万円 | 2億4610万円 | 1億2875万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2020年 | 3億6296万円 | 2億4481万円 | 1億1815万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2021年 | 3億7080万円 | 2億3421万円 | 1億3660万円 |
日本郵船に新卒入社をしてから60歳まで勤務をした場合
3億7,080万円の収入を得る事ができます。
日本の上場企業の生涯賃金との差額は、2021年時点で1臆3,660万円。
おおよそ日本の平均の1.58倍、業界の平均値の1.04倍となっています。
日本では上場企業とひとくくりにされますが、このように入社する企業で人生において1億円以上もの収入差が出てしまうのです。
(3) 日本郵船の平均年収を業界と比較
業界プレイヤー | 平均年収 | 生涯賃金 | |||||||||||||||||||||||||||||
商船三井 | 1,026万円 | 3億9837万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
共栄タンカー | 993万円 | 3億8573万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
日本郵船 | 955万円 | 3億7080万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
東京汽船 | 922万円 | 3億5795万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
川崎汽船 | 907万円 | 3億5205万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
飯野海運 | 901万円 | 3億4979万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
乾汽船 | 898万円 | 3億4847万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
NSユナイテッド海運 | 872万円 | 3億3869万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
川崎近海汽船 | 764万円 | 2億9665万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
明治海運 | 681万円 | 2億6457万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
上場平均 | 603万円 | 2億3421万円 |
今回は、海運業10社(商船三井、共栄タンカー、日本郵船、東京汽船、川崎汽船、飯野海運、乾汽船、NSユナイテッド海運、川崎近海汽船、明治海運)の平均と、日本郵船の年収推移を比較しました。
結論、日本郵船は業界平均の1.04倍、上場企業の平均年収と比べると1.58倍の収入を得る事ができています。
(4) 日本郵船の年収カースト
日本郵船の年収は955万円なので、カーストは上流階級の“脱 中流層”です。
東京商工リサーチが日本の上場企業1841社を調査した所、平均年収900万円台の企業は42社で全体の2.28%でした。
上場企業の平均年収は603万円で”一人暮らし貴族”のランク。ここが全体で一番多い割合となっています。
2.日本郵船の給与制度/年収推移
2021年の日本郵船の年収の平均は、955万円(有価証券報告書調べ)、従業員数は連結で35,057人、単独では1,217人、平均年齢39.9歳です。ただしこれは一般職を含めた平均年収。当メディアの独自調査結果によりますと、総合職のみの平均年収は推定850~1,200万円程度と予測されます。
(1) 日本郵船の勤務状況の推移
平均年齢 | 平均勤続年数 | ||||||||||||||||||||||||||||||
2010年 | 37.9歳 | 14.0年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2011年 | 38.0歳 | 14.1年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2012年 | 38.3歳 | 14.3年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2013年 | 38.3歳 | 14.4年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2014年 | 39.9歳 | 14.1年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2015年 | 40.0歳 | 14.2年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2016年 | 39.8歳 | 13.9年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2017年 | 38.9歳 | 13.6年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2018年 | 39.0歳 | 13.8年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2019年 | 39.6歳 | 14.3年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2020年 | 39.6歳 | 14.1年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2021年 | 39.9歳 | 14.1年 |
ここ12年間日本郵船の平均年齢は約38~40歳、平均勤続年数は13~14年の間で推移しています。平均年齢、平均勤続年数とも12年間で大きな増減をしておらず、一定といえます。
これは定年退職以外の退職が少ない企業の特徴です。
これまでの終身雇用型企業の平均年齢が42歳前後 平均勤続年数は18-19年です。
日本郵船もそれに近い数値であり、安定して働ける企業といえます。
(2) 日本郵船の年齢別の年収推移
平均年収から年齢別の推定年収を算出しました。
年齢 | 日本郵船の推定年収 | 上場企業の平均年収 | |||||||||||||||||||||||||||||
25歳 | 503万円 | 406万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
30歳 | 683万円 | 509万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
35歳 | 862万円 | 572万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
40歳 | 1,042万円 | 621万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
45歳 | 1,132万円 | 647万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
50歳 | 1,222万円 | 739万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
55歳 | 1,312万円 | 808万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
60歳 | 1,184万円 | 730万円 |
日本郵船の給与制度は、初任給が214,800円となっており、初年度は300~340万円ですが
40代前半に年収1000万円を超え、最大年収を迎える50代の年収は1,200~1,380万円になります。
日本の上場企業の平均年収との比較するとその差は
25歳 +97万円
30歳 +174万円
35歳 +290万円
40歳 +421万円
45歳 +485万円
50歳 +483万円
55歳 +504万円
60歳 +454万円
となり、上場企業の平均よりもかなり高い年収となっています。
※一般的には役職定年が55-58歳になります。
55-58歳になると年収が25%ダウンする企業もありますが部長級以上だと、その限りではありません。
また親会社の場合、子会社への“転籍”を促されますが、転籍の場合は年収が30%ダウンします。
当メディアは順調に昇給・昇格した場合の推定値を算出しております。
次は役職ごとの年収をご覧ください。
(3) 日本郵船の役職別の年収推移
役職 |
年齢 |
推定年収 |
役職なし |
23歳〜27歳 |
300万円~770万円 |
主任 |
28歳〜 |
800万円〜950万円 |
係長 |
32歳〜 |
1,000万円〜1,160万円 |
課長 |
37歳〜 |
1,200万円〜1,450万円 |
部長 |
45歳〜 |
1,400万円〜1,750万円 |
近年実力主義へと人事制度の改定を進めていますが、未だ年功序列の傾向が残っているようです。原則として入社4年目・7年目・11年目のタイミングで昇給があります。管理職になるまでは年功序列の影響を強く受けるため、30代半ばまではほぼ横並びで給与に差がつきにくいようです。
また、年収に占めるボーナスの割合がとても大きいため、年収は会社の業績に影響されやすいようです。
(openworkに寄せられた社員口コミを参考に編集部作成)
(4) 日本郵船の口コミ情報
20代男性
評価制度: 仕事をしようがしまいが、結果を残そうが残すまいが、評価に差は無い。真面目に仕事をする方が馬鹿を見る感じ。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
30万円 | 15万円 | 150万円 | 700万円 |
30代男性
給与制度: 人事評価は基本横並びで、差がつかない。
評価制度: ほとんど差がつかない評価システム。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
50万円 | 15万円 | 250万円 | 1,050万円 |
30代男性
給与制度: 従来は30代中盤までは給与面の待遇ではほとんど差がつかない。そもそもボーナス自体が、全社員一律でそれぞれの基本給×〇カ月で、個人の能力による評価はほぼない。ただ、現社長(過去に人事課長経験あり)になってからは人事制度改革が進められており、昇給・ボーナスもこれまでより差がつくと思われる。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
45万円 | 20万円 | 220万円 | 1,000万円 |
20代男性
給与制度: 3年目給与。1-3年目までは基本給が上がらず、その分4年目で大幅jump upする形。早期離職を踏みとどまらせる為の策と思料。
評価制度: 現在新評価制度の施行準備中で、今後は多少給与に差がつくとの事だがそれでも差は少ない。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
22万円 | 13万円 | 120万円 | 580万円 |
20代男性
給与制度: 1〜3年目は、基本給で400万、残業代含めると500〜550万にいく。4年目から700万前後となり、最短で7年目に課長代理となる。この頃には残業多いと1000万に到達するイメージ。
評価制度: 若手のうちは差がつかない。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
23万円 | 5万円 | 120万円 | 500万円 |
(openworkに寄せられた社員口コミを参考に編集部作成)
(5) 日本郵船の福利厚生/待遇
日本郵船の福利厚生についてご紹介します。
就職・転職する時に求人票の情報だけでは、意思決定する時に情報が不足します。
実際に日本郵船での勤務経験のある社員や元社員の方の福利厚生に関する口コミ情報も併せて紹介します。
2021年 新卒採用の募集要項
手当 |
交通費全額支給ほか |
休日・休暇 |
完全週休2日制(土・日)、祝日、メーデー、創業記念日、年末年始、夏季冬季休暇(7日)、有給休暇、その他特別休暇・休業制度(産休・育休・看護休暇・介護休暇など) |
保険 |
各種社会保険完備 |
福利厚生・諸制度 |
共済年金、財形制度、社員持株制度など |
20代男性
福利厚生: 福利厚生は充実しているが、最近は経由削減のためか、寮や保養所などを手放すことが多かったように思える。
オフィス環境: 典型的な大企業という感じ、会議が好きな人が多いので埋まっていることが多く、会議室の予約が取り辛い。
30代男性
オフィス環境: 本社は丸の内にあり立地はよい。本社には社員食堂があり、格安でランチを食べることができる。
30代男性
福利厚生: 社員持株会社、財形貯蓄などあり。 保養所などは充実してる方ではないか。 社宅はあったが、今後の見通しは不透明。
オフィス環境: 本社は丸の内一等地にあるので便利。 オフィス環境も文句なし。社員食堂、カフェテリアも充実。17時以降は酒類も飲めるバーになる。
40代男性
福利厚生: 財形貯蓄、持株会社、寮など、申し分ない。最近は流石に保養所が絞られて来て、ベネフィットワンの導入がされた。
オフィス環境: 会社内に託児所、診療所、カフェ、社食があり、申し分ない。オフィスも綺麗で、いつも清潔。駅から地下で繋がっているので雨に濡れない。立地は良い。
(en Lighthouseに寄せられた社員口コミを参考に編集部作成)
3.日本郵船に新卒/転職で入社するには
4.日本郵船の過去10年間の業績推移、中期経営計画書を見るには