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くるみんマークで優良企業を見分けよう!共働きをしながら子育てしやすい企業を詳しく解説

現在の日本は、人口に占める高齢者の割合が増加する「高齢化」と、出生率の低下により若年者人口が減少する「少子化」が速いスピードで進行する少子高齢化が社会問題となっています。

 

約50年後の我が国では、65歳以上の人口は、ほぼ横ばいで推移する一方であるのに対し、20歳~64歳の人口は、大幅に減少して高齢化率は10%程度上昇することが見込まれているのです。

 

少しでも早く少子高齢化のスピードを抑えていくには、若い世代が子育てしやすい社会にしていくことが必要です。

それには国だけの政策では十分ではなく、企業の支援も求められています。

 

今回は若い世代が「共働き子育てしやすい企業」や国の少子化政策について詳しく解説をしていきましょう。

 

1.共働き子育てしやすい企業ランキングTOP10【2020年度版】

 

2020年最新の「共働き子育てしやすい企業ランキングTOP10」で、女性社員に関するデータをまとめた表が下図1です。

 

少子高齢化社会において、女性も活躍しながら家庭との両立を実現できる企業をご紹介していきましょう。

 

【共働き子育てしやすい企業ランキングTOP10】

順位企業名女性の比率女性の平均年齢女性の勤続年数
1位日本生命保険*169%40.2歳14.1年
2位千葉銀行*242%36.9歳14.8年
3位大和証券グループ*339%36.2歳11.5年
4位日立製作所NANANA
5位花王グループ*430%38.4歳13.0年
6位資生堂*543%40.2歳16.0年
7位明治安田生命保険*658%44.3歳12.8年
8位アクセンチュア*733%NANA
8位イオン*875%NA15.3年
10位全日本空輸*961%33.4歳10.1年
10位太陽生命保険*1058%45.3歳13.7年
10位第一生命ホールディングス*1162%41.8歳16.1年
10位りそなホールディングス*1248%37.0歳13.3年
平均52%39.3歳13.7年

図1)日経DUAL「共働き子育てしやすい企業2020トップ10発表」のランキングを参考に執筆者作成(https://dual.nikkei.com/atcl/feature/19/043000035/051200001/?P=2)

 

①共働き子育てしやすい企業ナンバーワンは日本生命保険

堂々の第1位は日本生命保険で、上位13社の中で全社員における女性の比率が69%と最多となっています。

 

女性の平均年齢や勤続年数も平均より高く、女性が長く仕事をできる環境が整えられていることが分かります。

 

2位には千葉銀行、3位には大和証券グループが続いており、トップ3は金融関係が占めている状況です。

 

4位の日立製作所はデータを非公開(NA)としていますが、ダイバーシティ(性別や年齢、学歴、職歴などに関係なく多様さを活かすこと)を採用活動の理念としており、それぞれの個性を尊重し、組織の強みとなることを目指しています。

 

5位の花王グループと6位の資生堂は、化粧品業界でトップシェアを争っている有名企業です。

女性の美しさや家庭用品に関わる業種のため、これからも女性の目覚ましい活躍が期待されることでしょう。

 

TOP10全体の平均としては、女性の比率が52%、平均年齢が39.3歳、勤続年数が13.7年となっています。

 

②業種は金融が大多数で特に保険会社が多い

それでは、女性が家庭との両立を実現しながら長く働ける業種は、どのようなものなのでしょうか?

 

共働き子育てをしやすい大企業の業種を分類した表が下図2です。

 

【共働き子育てをしやすい大企業の業種】

順位業種カウント数
1位保険4社
2位銀行2社
2位化粧品メーカー2社
3位証券1社
3位電気機器メーカー1社
3位空運1社
3位小売業1社
3位コンサル1社

図2)図1のデータをもとに執筆者作成

 

図2のデータを参照すると1位は保険会社となっており、TOP10にランキングされた全13社のうち4社がランクインです。

 

特徴としては、保険業界と言っても損保会社ではなく生保会社がランキングされています。

 

生保会社は女性の比率が50%以上であり、他業種と比較すると女性社員が多い傾向があります。

そしてそのほとんどは、「生保レディ」と呼ばれている女性の営業職がほとんどです。

 

時間の都合がつけやすく、子供が急に病気になったり、学校行事などがあるときは、容易に抜けられやすいのも理由の一つでしょう。

 

2位には銀行もランクインしており3位の証券と合わせると、金融業だけで何と7社もランクインし、半分近くを占めています。

 

2.共働き子育てしやすい企業の両立支援制度【TOP3】

 

共働きをしながら子育てをするには、会社のバックアップがあると大変助かります。

ここでは、上位3社の両立支援制度の詳細についてご紹介をしていきましょう。

 

①日本生命保険

日本生命保険の子育て各種制度をまとめた表がこちらです。(下図3)

 

【日本生命保険の子育て各種制度】

育児休職誕生日に応じて満2歳から満2歳半まで取得可能
育児短時間フレックスタイム制度子どもが小学校就学後最初の8月末までの間、始業終業時刻を柔軟に変更し、就労時間を短縮できる
保育所利用補助制度満3歳までの子どもがいる職員が対象で、保育所利用時に最大月1万円を支給する
ファミリーサポート休暇勤続1年以上の職員が家族の看護、子どもの学校行事への参加等で取得できる(年間2日)
産前産後休暇出産前6週間、出産後8週間の休暇が取得できる
配偶者出産休暇配偶者が出産する場合、出産日を含め前後通算3日間取得できる
妊産婦休暇妊婦・出産時に医師等の指導事項を守るために利用できる
妊産婦健診休暇妊婦・出産時に保健指導や健診の受診に利用できる

図3)「日本生命 2021年入社 総合職募集情報 待遇と勤務」を参考に執筆者作成(https://www.nissay-saiyo.com/data/recruit/sogo.html)

 

日本生命は育児短時間フレックスタイム制度を設置しており、子どもが小学校就学後最初の8月末までの間、始業終業時刻を柔軟に変更し、就労時間を短縮できます。

俗に言う「小1の壁」の対策ともいえるでしょう。

 

妊婦の社員に対しての制度が手厚く、妊産婦休暇や妊産婦健診休暇などを取得できるようにし、子どもを産みやすい環境整備に取り組んでいます。

 

②千葉銀行

千葉銀行の子育て各種制度をまとめた表がこちらです。(下図4)

 

【千葉銀行の子育て各種制度】

育児休職満2歳まで取得可能(最長3歳まで)
チャイルドプラン休暇
マタニティサポート休暇
・男女ともに利用可能できる子どもを持ちたい職員の就業継続を支援するための休暇
・チャイルドプラン休暇は不妊治療の通院時に利用可能
・マタニティサポート休暇は妊娠中の体調不良や妊娠中の配偶者の通院の付き添い時等に利用できる
短時間勤務制度
時間外勤務免除・制限
・学校生活が始まる4月や夏休みなどに最大2か月間利用できる
・小1の壁への対応
育児休業者等職場復帰プログラムスムーズな職場復帰を支援するために「育児休業者等職場復帰プログラム」を用意
出産祝いタオルの贈呈頭取からの子育て応援メッセージを添えた出産祝いのタオルを贈呈
職場復帰応援セミナー育児休業中の職員とその配偶者を対象に、先輩ママ職員との座談会や子育てに関する専門講座を開催
育児のための短日勤務制度・育児休業中の希望者に対し、通常より少ない勤務日数、勤務時間で働ける制度を整える
・復帰不安の解消やスムーズな職場復帰を目指す
ひまわり保育園の設置・2015年3月に千葉工業大学と共同で、同大学の津田沼キャンパス内に「千葉工大ひまわり保育園」を設置

図4)千葉銀行「ダイバーシティ推進の取組みについて 仕事と育児の両立支援制度」を参考に執筆者作成(https://www.chibabank.co.jp/company/info/diversity/004/)

 

千葉銀行も多種多様な子育て支援制度を設置しており、日本生命保険と同様にチャイルドプラン休暇やマタニティサポート休暇などで、妊娠しやすい環境づくりに力を入れています。

 

スムーズな職場復帰を支援するために、育児休業者等職場復帰プログラムや職場復帰応援セミナーを用意し、仕事に戻っても即戦力として働けるサポート体制が魅力です。

 

2015年3月には千葉工業大学と共同で、「千葉工大ひまわり保育園」を設置し、子育てをしながら安心して働ける会社として注目されています。

 

③大和証券グループ

大和証券グループの子育て各種制度をまとめた表がこちらです。(下図5)

 

【大和証券グループの子育て各種制度】

育児休職子が3歳に達する前日まで取得可能
育児サポート休暇配偶者の出産時、復職時等に取得可能(育児休職のうち、処遇を保障する最初の2週間以内)
短時間勤務制度子どもが小学校卒業まで最大90分早く退社できる
所定時間外労働の免除・制限・子どもが小学校3年生修了までの期間、所定時間外労働の免除が可能
・小学校卒業までの期間、所定時間外労働の制限が可能
看護休暇小学校就学前の子1人につき年5日、子2人以上の場合は年10日まで取得可能(半日単位の取得可)
保育施設費用補助子どもが小学校3年生までの期間、保育施設または学童保育にかかる費用を補助
ベビーシッター制度子どもが小学校3年生修了までの期間、会社が契約するベビーシッターサービスを特別料金で利用可能
勤務地変更制度結婚・配偶者の転勤・介護等の理由により転居が必要な場合に、転居先で就労場所を提供。2007年度から累計約300名が利用
配偶者転勤同行休職制度配偶者の海外転勤等の場合に、最長5年間の休職が可能
第3子以降出生祝金200万円第3子以降の出生に際し、200万円のお祝い金を支給
ライフサポート有給休暇傷病、介護準備、不妊治療、子どもの看護のために休暇が必要な場合に取得可能(最大50日)

図5)大和証券グループ「大和証券グループの女性活躍支援に関する考え方」を参考に執筆者作成(https://www.daiwa-grp.jp/about/work/work_life_balance.html)

大和証券グループも女性活躍支援を積極的に取り入れており、数多くの子育て支援制度を採用しています。

 

育児休暇はもちろんのこと、産後の看護休暇も小学校就学前の子1人につき年5日まで取得でき、急に具合が悪くなることが多い小さな子どもがいても、安心して仕事を続けられます。

 

子どもが小学校3年生修了までの期間、所定時間外労働が免除されるのも大きなメリットです。

 

第3子以降が出生すると200万円のお祝い金を支給してくれる太っ腹な企業でもあります。

 

3.企業が取り組んでいる少子化対策の推進内容

 

少子化に歯止めがきかない近年においては、企業が子育て世代の社員に対して、具体的に支援する必要があります。

 

ここでは、少子化対策を推進する国や企業の取り組みについて、解説をしていきましょう。

 

①一般事業主行動計画(次世代育成支援対策推進法)の策定・公表の促進

一般事業主行動計画とは、次世代育成支援対策推進法に基づきながら企業が実施する計画です。

 

社員が仕事と子育てを両立しやすい雇用環境の整備や、子育てをしていない従業員も含めた多様な労働条件の整備などに取り組みます。

 

(1)計画期間(2)目標(3)目標達成のための対策及びその実施時期を定め、行動計画を策定した内容を都道府県労働局雇用環境均等部(室)へ届けるものです。

 

従業員101人以上の企業には、行動計画の策定や届出をするとともに、公表と周知が義務付けられています。

 

②くるみん及びプラチナくるみんの周知・取組促進

くるみんマーク及びプラチナくるみんマークとは、「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣が企業に対して認定をした証です。

 

次世代育成支援対策推進法に基づいて、一般事業主行動計画を策定した企業の中から、計画通りに目標を達成し、一定の基準を満たした企業が認定の対象です。

申請することにより、厚生労働大臣から「子育てサポート企業」として、認定(くるみん認定)を受けられます。

 

また、平成27年4月1日より、既にくるみん認定を受けており、両立支援の制度の導入や利用を高い水準で取組んでいるを企業を評価し、さらに継続的に取組んでもらうために、「プラチナくるみん認定」を新たに始めました。

 

プラチナくるみん認定を受けた企業は、「プラチナくるみんマーク」をホームページなどにに表示ができ、子育て支援の水準が非常に高い企業であることを周知できます。

 

③企業における両立支援の取組促進

企業における仕事と子育ての両立支援で、様々な賞を多くの企業が受賞しています。(下図6)

 

均等・両立推進企業表彰受賞」

図6 引用)「均等・両立推進企業表彰受賞」(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2019/r01webhonpen/html/b2_s2-2-2.html)

 

2018年度の厚生労働大臣優良賞の「均等推進部門」では、丸井グループと新日本科学が受賞。

「ファミリー・フレンドリー企業部門」では、千葉銀行やアフラック生命保険などが名前を連ねています。

 

2013年度には、男性の仕事と育児の両立を積極的に促進する企業を表彰する「イクメン企業アワード」を。

2014年度からは部下の仕事と育児の両立を支援しながら、業務効率も実現できる上司「イクボス」を表彰する「イクボスアワード」を実施しています。

 

ちなみに「イクメン企業アワード2019両立支援部門」のグランプリには、アフラック生命保険株式会社(東京都新宿区)と株式会社コーソル(東京都千代田区)が受賞。

「イクボスアワード2019」のグランプリではオリックス・クレジットとシンコーメタリコンの社員の方が2名選出されました。*13

 

4.まとめ

 

今回は、共働き子育てしやすい企業について詳しく解説をしていきました。

 

少子高齢化に少しでも歯止めをかけるには、子育てをしながら働き続けられ、仕事と家庭を両立しやすい職場環境づくりを社会全体で推進することが必要です。

 

そのためには、企業側が子育て支援に積極的に取り組むことが求められています。

 

これから就職や転職活動を控えている若い世代の方は、仕事と生活の調和が取れた働き方ができるような企業を選んでいくと良いでしょう。

 

参考文献・WEBサイト
*1 参考)就職四季報 総合版 2021年版 P241
*2 参考)就職四季報 総合版 2021年版 P257
*3 参考)就職四季報 総合版 2021年版 P285
*4 参考)就職四季報 総合版 2021年版 P459
*5 参考)就職四季報 総合版 2021年版 P458
*6 参考)就職四季報 総合版 2021年版 P292
*7 参考)就職四季報 総合版 2021年版 P121
*8 参考)イオン株式会社「アジアNO.1リテイラーを目指し、グループCEOが女性管理職比率50%を宣言https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/kigyo100sen/practice/h26_pdf/29_ion.pdf
*9 参考)就職四季報 総合版 2021年版 P733
*10 参考)就職四季報 総合版 2021年版 P295
*11 参考)就職四季報 総合版 2021年版 P291
*12 参考)就職四季報 総合版 2021年版 P246
*13 参考)厚生労働省「イクメン企業アワード2019・イクボスアワード2019の受賞企業・受賞者を決定しました」
www.mhlw.go.jp/stf/newpage_07189.html

 

執筆者
名前:矢口ミカ
プロフィール:フリーランスの転職・不動産ライター。複数のメディアで執筆中です。宅建の資格を活かし、家族が所有する投資用不動産の入居者管理もしています。趣味は整理収納と料理。

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