化学品と食品の2つの事業を展開する中間素材メーカーです。
1917年(大正6年)創業。樹脂添加剤や、塩ビ用の可塑剤・安定剤、自動車エンジンオイル向けの潤滑油添加剤といった高機能化学品事業が主力となっています。また、マーガリン、ショートニングなど製菓・製パン向けの食用加工油脂類も手掛け、この分野では国内3大大手の一角を担っています。その他にも半導体用の成膜・高誘電材料、液晶ディスプレー用薬剤といった電子関連分野など、幅広い事業を展開しています。
今回は化学業界の中でも「ADEKA」の収入という観点に迫ります。
有価証券報告書に記載されている平均年収・平均年齢から、当メディア独自の算出により生涯賃金も割り出しています。
新卒採用の難易度、転職採用の難易度、そして学歴フィルター情報も参考にしてください。
1.ADEKAの平均年収は716万円
2022年のADEKAの年収の平均は、716万円(有価証券報告書調べ)、従業員数は1,808名、平均年齢38.9歳です。ただしこれは一般職を含めた平均年収。当メディアの独自調査結果によりますと、総合職のみの平均年収は推定500~900万円程度と予測されます。
(1) ADEKAの平均年収 推移(2010年から)
平均年収 | ADEKA | 業界平均 | 上場企業平均 | ||||||||||||||||||||||||||||
2010年 | 657万円 | 701万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
2011年 | 676万円 | 722万円 | 563万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2012年 | 668万円 | 740万円 | 570万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2013年 | 670万円 | 725万円 | 571万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2014年 | 677万円 | 718万円 | 577万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2015年 | 681万円 | 734万円 | 588万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2016年 | 693万円 | 745万円 | 594万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2017年 | 697万円 | 747万円 | 598万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2018年 | 702万円 | 754万円 | 605万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2019年 | 702万円 | 771万円 | 612万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2020年 | 703万円 | 774万円 | 614万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2021年 | 699万円 | 766万円 | 603万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2022年 | 716万円 | 778万円 | 606万円 |
(2) ADEKAの生涯賃金 推移(2010年から)
生涯賃金 | ADEKA | 上場企業の平均 | 上場平均との差額 | ||||||||||||||||||||||||||||
2010年 | 2億5499万円 | - | |||||||||||||||||||||||||||||
2011年 | 2億6238万円 | 2億2450万円 | 3788万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2012年 | 2億5952万円 | 2億2729万円 | 3222万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2013年 | 2億5997万円 | 2億2939万円 | 3058万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2014年 | 2億6288万円 | 2億3185万円 | 3103万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2015年 | 2億6458万円 | 2億3631万円 | 2827万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2016年 | 2億6893万円 | 2億3897万円 | 2996万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2017年 | 2億7073万円 | 2億4046万円 | 3026万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2018年 | 2億7253万円 | 2億4320万円 | 2933万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2019年 | 2億7251万円 | 2億4610万円 | 2642万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2020年 | 2億7306万円 | 2億4481万円 | 2825万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2021年 | 2億7132万円 | 2億3421万円 | 3712万円 | ||||||||||||||||||||||||||||
2022年 | 2億7790万円 | 2億3510万円 | 4281万円 |
ADEKAに新卒入社をしてから60歳まで勤務をした場合
2億7,790万円の収入を得る事ができます。
日本の上場企業の生涯賃金との差額は、2022年時点で4,281万円。
おおよそ日本の平均の1.18倍、化学業界の平均値の0.92倍となっています。
日本では上場企業とひとくくりにされますが、このように入社する企業で人生において4千万円以上の収入差が出てしまうのです。
(3) ADEKAの平均年収を業界と比較
業界プレイヤー | 平均年収 | 生涯賃金 | |||||||||||||||||||||||||||||
大陽日酸 | 987万円 | 3億8303万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
住友化学 | 884万円 | 3億4306万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
三菱ガス化学 | 871万円 | 3億3825万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
信越化学工業 | 855万円 | 3億3178万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
三井化学 | 839万円 | 3億2571万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
日産化学 | 815万円 | 3億1634万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
東ソー | 786万円 | 3億0518万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
三洋化成工業 | 762万円 | 2億9586万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
日本触媒 | 760万円 | 2億9501万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
カネカ | 755万円 | 2億9322万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
旭化成 | 751万円 | 2億9166万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
日本ゼオン | 751万円 | 2億9149万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
JSR | 745万円 | 2億8911万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
エア・ウォーター | 740万円 | 2億8724万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
ダイセル | 739万円 | 2億8702万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
デンカ | 732万円 | 2億8425万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
トクヤマ | 722万円 | 2億8037万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
昭和電工 | 721万円 | 2億8003万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
ADEKA | 716万円 | 2億7790万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
クラレ | 705万円 | 2億7363万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
宇部興産 | 700万円 | 2億7188万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
上場平均 | 606万円 | 2億3510万円 |
今回は、化学業界21社(大陽日酸、住友化学、三菱ガス化学、信越化学工業、三井化学、日産化学、東ソー、三洋化成工業、日本触媒、カネカ、旭化成、日本ゼオン、JSR、エア・ウォーター、ダイセル、デンカ、トクヤマ、昭和電工、ADEKA、クラレ、宇部興産)の平均と、ADEKAの年収推移を比較しました。
結論、ADEKAは業界平均の0.92倍、上場企業の平均年収と比べると1.18倍の収入を得る事ができています。またADEKA内でも、平均年収が2010年と比べ59万円あがっており、企業としての業績/収益が順調に伸びていることがわかります。
(4) ADEKAの年収カースト
ADEKAの年収は716万円なので、カーストは“THE 中流層”です。年収カースト全体から見ると中の中に位置しています。
東京商工リサーチが日本の上場企業1841社を調査した所、平均年収700万円台の企業は304社で全体の16.51%でした。
上場企業の平均年収は606万円で”一人暮らし貴族”のランク。ここが全体で一番多い割合となっています。
2.ADEKAの給与制度/年収推移
2022年のADEKAの年収の平均は、716万円(有価証券報告書調べ)、従業員数は1,808名、平均年齢38.9歳です。ただしこれは一般職を含めた平均年収。当メディアの独自調査結果によりますと、総合職のみの平均年収は推定500~900万円程度と予測されます。
(1) ADEKAの勤続状況の推移
平均年齢 | 平均勤続年数 | ||||||||||||||||||||||||||||||
2010年 | 37.7歳 | 15.1年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2011年 | 38.1歳 | 15.4年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2012年 | 38.1歳 | 15.3年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2013年 | 38.3歳 | 15.4年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2014年 | 38.4歳 | 15.5年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2015年 | 38.5歳 | 15.5年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2016年 | 38.9歳 | 15.9年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2017年 | 38.8歳 | 15.7年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2018年 | 38.8歳 | 15.7年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2019年 | 38.5歳 | 15.5年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2020年 | 38.3歳 | 15.2年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2021年 | 38.5歳 | 15.6年 | |||||||||||||||||||||||||||||
2022年 | 38.9歳 | 16.0年 |
ADEKAの平均年齢は約38歳~約39歳、平均勤続年数は約15年~約16年の間で推移しています。
これは定年退職以外の退職が少ないということです。
これまでの終身雇用型企業の平均年齢が42歳前後 平均勤続年数は18-19年です。
ADEKAの数値もそれに近いものであり、安定して働ける企業といえます。
(2) ADEKAの年齢別の年収推移
平均年収から年齢別の推定年収を算出しました。
年齢 | ADEKAの推定年収 | 上場企業の平均年収 | |||||||||||||||||||||||||||||
25歳 | 377万円 | 406万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
30歳 | 512万円 | 509万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
35歳 | 646万円 | 572万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
40歳 | 781万円 | 621万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
45歳 | 848万円 | 647万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
50歳 | 916万円 | 739万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
55歳 | 983万円 | 808万円 | |||||||||||||||||||||||||||||
60歳 | 888万円 | 730万円 |
ADEKAの給与制度は、初任給が 大卒で月給 238,290円、修士了で月給 253,290円、博士了で月給 278,160円ですので、初年度は300~400万円ですが 最大年収を迎える50代の年収は860~1,050万円になります。
日本の上場企業の平均年収との比較するとその差は
25歳 -29万円
30歳 +3万円
35歳 +74万円
40歳 +160万円
45歳 +201万円
50歳 +177万円
55歳 +175万円
60歳 +158万円
となり、上場企業の平均よりも高い年収となっています。
※一般的には役職定年が55-58歳になります。
55-58歳になると年収が25%ダウンする企業もありますが部長級以上だと、その限りではありません。
また親会社の場合、子会社への“転籍”を促されますが、転籍の場合は年収が30%ダウンします。
当メディアは順調に昇給・昇格した場合の推定値を算出しております。
次は役職ごとの年収をご覧ください。
(3) ADEKAの役職別の年収推移
役職 |
年齢 |
推定年収 |
役職なし |
23歳〜27歳 |
300万円~550万円 |
主任 |
28歳〜 |
550万円〜750万円 |
係長 |
32歳〜 |
700万円〜900万円 |
課長 |
37歳〜 |
900万円〜1,100万円 |
部長 |
45歳〜 |
1000万円〜1,300万円 |
(編集部独自に取得しているデータとADEKAの平均年収を掛け合わせて算出)
実力主義へと制度の改正が進められているようですが、未だ年功序列の傾向が強く、評価は相対評価の為、モチベーションは上がりにくいようです。また、評価制度が曖昧で部署によっても基準が異なるため、昇給や賞与の評定が部署ごとに異なるというコメントも見られました。
(openwork、en Lighthouseに寄せられた社員口コミを参考に編集部作成)
(4) ADEKAの口コミ情報
20代女性
給与制度: 昇給は年1回。賞与は評価によって変わるが、定期的に低い評価を付けられるし、高い評価はよっぽど連続で付けられることは無い。逆に言えばそこそこ頑張っていれば定期的に高い賞与が貰えるのは安泰だと思う。
評価制度: 最近人事制度が変わって仕事の成果がある程度給与に反映されるようになったが、一部では既に形骸化している印象。生産技術職の同期は工場の方針で裁量労働制でなく時間管理制で働いていたが、人事部には自分の裁量で仕事をさばけないと判断されて1つ下のランクにされていた。評価も、ある程度皆頑張っているからという理由で定期的に低い評価を付けられる。上司にも申し訳ないと謝られるが、正直理由もないのに低評価を付けられるのはずっと納得できていない。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
27万円 | 4万円 | 140万円 | 515万円 |
20代男性
給与制度: 完全に年功序列。 昇格試験自体、在籍年数制限があるため、早期出世はできない。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
25万円 | 5万円 | 140万円 | 500万円 |
20代男性
評価制度: 実質3段階に分かれており、半期毎に3段階の目標設定を行う。その目標をどこまで達成できたかが昇給査定、賞与額に影響する。ただ、賞与に関しては持ち回りの側面があり、同期で抜きん出た給与を貰ってるひとはまずいない。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
30万円 | 4万円 | 167万円 | 575万円 |
20代男性
給与制度: 開発職だと大学院卒で3年目から裁量労働制となるため、残業代が10ー20時間分程度に固定される。昇格しない限り、この固定残業代は増えない。
評価制度: 完全なる相対評価。ものすごく頑張って成果を出しても、いわゆる勤務態度のような項目の点数を下げられて総評自体は上がらないように調整される。上級職たちに気に入られるかどうかで給料は変わる。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
- | - | - | 540万円 |
30代男性
給与制度: 平均以上にはもらっていると思う。 製品が多様なこと、内部留保が多いため景気の変動にそこそこ強く、給与の上下が殆ど無い。
評価制度: 評価制度が曖昧。部署間で評価基準が異なるため昇給、賞与の評定が部署間で異なる。 評価の納得感が低い。同じ職員の中でもランクがあり過去の評価によって決定されるが、評価が部署内で均されるため差が出ない。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
- | - | - | 700万円 |
20代男性
給与制度: 昇格・昇給は年功序列なので、すごく優秀であっても他と比べて大きく変わることはない。ガツガツ働いてキャリアアップしたい人にとっては物足りないと思う。また、昇格試験はプレゼン力が高ければ合格できるため、職場で優秀な人でもプレゼン力が弱ければ不合格になる場合がある。
評価制度: 評価制度は低い・普通・高いの評価がローテーションで回る場合があり、モチベーションがなくてもそれなりに評価される。やる気がある人にとっては理不尽さを感じるかもしれない。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
- | - | - | 590万円 |
20代男性
給与制度: 福利厚生が手厚い。
評価制度: 制度上は役割と職能の観点から評価されることになっている。しかし、実際の評価は偏らないように、全体を見てならされる傾向にある。突出した成果があっても評価されない人もいる。
月給 | 残業 | 賞与 | 年収 | ||||||||||||||||||||||||||||
- | - | - | 600万円 |
(openwork、en Lighthouseに寄せられた社員口コミを参考に編集部作成)
(5) ADEKAの福利厚生/待遇
ADEKAの福利厚生についてご紹介します。
就職・転職する時に求人票の情報だけでは、意思決定する時に情報が不足します。
実際にADEKAでの勤務経験のある社員や元社員の方の福利厚生に関する口コミ情報も併せて紹介します。
2022年 新卒採用の募集要項
手当 |
通勤交通費支給、住宅手当(27,100円/1人暮らし・本社の場合)、扶養手当、外勤手当 他 |
休日・休暇 |
|
保険 |
雇用・労災・健康・厚生年金保険 |
福利厚生・諸制度 |
財形貯蓄、持株会、社宅・寮、共済会、会員制リゾート施設利用、各種クラブ活動(野球・テニス・サッカー・フットサル・剣道・バドミントン・華道 等) 他 |
20代女性
福利厚生: 若手には寮がある。社員には住宅手当があり、2万くらいはあると思う。財形貯蓄あり。持株が奨励されている。
オフィス環境: 2021年よりフリーアドレス化され、オフィスの何処に座ってもいい。お昼は会社の食堂があり、安価でお昼を食べられるのがいいと思う。周りに飲食店がない、ということもあるが。
20代男性
福利厚生: 寮や社宅の制度があるのは嬉しいが、寮の環境が非常に悪い。
オフィス環境: 勤務地周辺は田舎の方であり、私生活の充実には少し難がある。建物は若干の古さはある。
30代男性
福利厚生: 住宅補助は住宅購入をしても月3万くらいもらえる。 寮は管理職以外は入れて、月5000円〜1万円くらい。 定年まで続ければ、退職金は巷の企業よりもたくさんもらえるとのこと。
オフィス環境: 熊野前という辺鄙な場所にあるが、日暮里から舎人ライナー、もしくは町田から都電で行けるので、そこまで不便ではない。 オフィスはフリーアドレスとなったばかりで、そこそこ綺麗。
20代男性
福利厚生: 社宅が新築されたため綺麗かつ安いのだけは有り難いが、配属先次第では社宅から片道1時間かかるのであまり意味がない。(配属先の割合的に大半はこのパターンになる)
40代男性
福利厚生: 退職金、住宅補助、財形貯蓄、社員持株会。寮は安いが、古くて壁が薄くプライベートの確保が難しい。ジムを法人割引で安く利用できるのはよい。
オフィス環境: 一般的なオフィス環境だと思う。
(en Lighthouseに寄せられた社員口コミを参考に編集部作成)
3.ADEKAに新卒/転職で入社するには
4.ADEKAの過去10年間の業績推移、中期経営計画書を見るには