双日の年収・給与制度（月給/賞与）＆生涯賃金を調査してみた

03年に日商岩井とニチメンが統合して出来た　世界約50の国と地域に事業を展開する総合商社です。機械、エネルギー・金属、化学品・機能素材、生活産業などの多岐にわたる分野でグローバルに事業を展開しています。

三菱商事、伊藤忠商事、住友商事、三井物産、丸紅、豊田通商とともに7大商社と呼ばれています。

7大商社は、いずれも世界を相手に商売をしている有名な企業です。
今回はこの7大商社の一つ　「双日」の収入という観点に迫ります。

有価証券報告書に記載されている平均年収・平均年齢から、当メディア独自の算出により生涯賃金も割り出しています。
新卒採用の難易度、転職採用の難易度、そして学歴フィルター情報も参考にしてください。

１．双日の平均年収は1,155万円

双日の年収は、日本でも代表する商社のため、東証一部上企業の中でも年収はトップクラス。

2020年度の双日の年収の平均は、1,155万円（有価証券報告書調べ）、従業員数は　2,551人、平均年齢　41.5歳です。ただしこれは一般職を含めた平均年収。当メディアの独自調査結果によりますと、総合職のみの平均年収は推定1,200～1,600万円程度と予測されます。

 （1）双日の平均年収 推移（2010年から）

双日の平均年収 推移（2010年から）

今回は、総合商社の一角である双日の年収推移をグラフ化しました。
計測は2010年から2020年まで。
双日では平均年収が、2010年から2020年の10年間で約150万円（115％）上昇しています。
総合商社業界の上昇平均は10年間で207万円（118％）ですので、業界平均よりは上昇率は低くなっていますが、上場企業の平均では10年間で52万円（109％）ですので　まずまずの上昇率といえるでしょう。
総合商社業界では、アベノミクスによる賃金引き上げが、他の業界と比較して順調に伸びたといえます。

　(2) 双日の生涯賃金 推移（2010年から）

双日の生涯賃金 推移（2010年から）

双日に新卒入社をしてから60歳まで勤務をした場合
4億4,832万円の収入を得る事ができます。

日本の上場企業の生涯賃金は、2020年度時点で2億3796万円。おおよそ日本の平均の1.9倍のゆとりある生活が送れることを意味します。総合商社の平均値よりは約13％下がりますが、高所得業界の中でも好待遇を約束される企業といえます。

　(3) 双日の給与制度・年齢別の年収推移

平均年収から年齢別の推定年収を算出しました。

双日の給与制度・年齢別の年収推移

双日の給与制度は、初任給が月給26万円ですので、初年度は450-500万円ですが
35歳頃に年収1000万円を超え、最大年収を迎える50代の年収は1,481～1,607万円になります。

ほぼ年功序列で管理職までは一定のペースで昇給しますが、その後は部署により昇進・昇給のスピードは多少異なるようです。*

年収も5大商社には及びませんが、業界水準で言えば低くはありません。

賞与は業績と個人評価によって変動し　最低月数が労使間で握られているので、余程の事がない限り、賞与がゼロと言う事はありません。*

日本の上場企業の平均年収との比較するとその差は歴然

25歳　＋202万円
30歳　＋317万円
35歳　＋471万円
40歳　＋639万円
45歳　＋722万円
50歳　＋738万円
55歳　＋778万円
60歳　＋702万円

双日は、日本の上場企業の中でもトップレベルの年収を得る事が可能です。

※一般的には役職定年が55-58歳になります。
55-58歳になると年収が25%ダウンする企業もありますが部長級以上だと、その限りではありません。
また親会社の場合、子会社への“転籍”を促されますが、転籍の場合は年収が30％ダウンします。

当メディアは順調に昇給・昇格した場合の推定値を算出しております。
次は役職ごとの年収をご覧ください。

（*はopenworkに寄せられた社員口コミを参考に編集部作成）

　(4) 双日の役職別の年収推移

（openworkのデータを参考に編集部が算出）

一般の企業で係長級で年収1000万円を超える企業は稀です。また、昇進のスピードによって年齢に多少開きは出ますが部長までいくと年収は1800万円前後となり、双日の年収の高さは明らかです。

日本で管理職（課長職級）になるのは40歳で70％と言われています。
そのため産休や休職、一般職への転換などがない限りは、40代で1500万円に到達します。

また、業績により変動はしますが、取締役等の役員報酬も非常に高いことが知られています。

（*はopenworkに寄せられた社員口コミを参考に編集部作成）

　(5)双日の平均年収の口コミ情報

20代男性

20代男性

給与制度： 他社と比較し当期利益レベルで非常に低いが、給与水準はかなり高い。
評価制度： 近年若手でも飛び級などの制度を設けているが、基本は横並び。5年目程度までは正確に評価されてないことが実情。

月給

残業

賞与

年収

35万円

10万円

200万円

750万円

20代女性

20代女性

賞与は上位の商社に比べると低い。入社時の基本給は一般企業と変わらないが、その後の昇給速度が早い。

月給

残業

賞与

年収

28万円

5万円

150万円

550万円

30代男性

30代男性

給与制度： 賞与は業績と評価に連動。
評価制度： 同じ職位の相対評価。誰かに低い評価をつけないと高い評価をつけられない仕組み。どんなに儲けても高い評価にはつながらない印象。

月給

残業

賞与

年収

-

-

-

1000万円

40代女性

40代女性

若手のうちは個人評価がほぼすべてだが、上位職になるほど成果評価の割合が高くなる

月給

残業

賞与

年収

75万円

-

250万円

1200万円

40代男性

40代男性

給与制度の特徴：役職級と成果制度が基本

月給

残業

賞与

年収

-

-

-

1400万円

　(6) 双日の平均年収を業界と比較

双日の平均年収を業界と比較

今回は、総合商社8社（三菱商事、伊藤忠商事、三井物産、住友商事、丸紅、豊田通商、双日、兼松）の平均と、双日の年収推移を比較しました。

結論、双日は上記総合商社8社平均と比べると0.87倍ですが、上場企業の平均年収と比べると約1.83倍の収入を得る事ができています。また双日内でも平均年収は緩やかに上昇していて、10年前と比べ約150万円あがっており、企業としての業績/収益が順調に伸びていることがわかります。

２．双日の入社難易度

22年卒の就活し出した頃の“就活人気ランキング”では55位の双日。
21年卒前半のランキングでは202位　後半は156位だったことを考えると、コロナ禍でも多岐にわたる事業により持ちこたえ 利益を伸ばしている商社に注目が集まっていると言えるでしょう。

業界全体を見ても双日を見ても業績も好調で年収も高く安定性のある企業です。

当メディアでも年収・生涯賃金を調査していますが、一般上場企業の平均と比較しても1.83倍もの収入を得る事ができます。本項目では、双日へ入社する事の入社難易度を解説します。

　(1) 双日の新卒採用　内定数　推移

双日の新卒採用　内定数　推移

双日の新卒採用の内定数は、2021年度で86人。
男性48人　女性38人　で競合他社と比べ女性の採用比率が非常に高いです。

とはいえ、2021年の採用人数は前年に比べ34人も減少しています。
石炭事業が市況悪化し利益半減したため今年のみ採用を抑えたのか、それともこのまま減少していくのか　今後に注目していきたいと思います。

就活人気企業ランキングの上位100以内の企業はエントリー数が2万を超えます。
エントリーから内定までの割合は、0.5％以下という非常に狭き門です。

(エントリー　→　書類選考　→　WEBテスト　→一次面接…)　
大半が書類選考で落とされるという意味でもあります。

　(2)双日の新卒採用　男女別推移

双日の新卒採用　男女別推移

双日の2021年の女性の採用割合は44％となっており、三菱商事は28％　伊藤忠商事は31％なので業界内でも女性比率はとても高いです。

女性の役員や管理職も増えてきており、また産休や育児休暇から復帰し子育てと仕事の両立をしている女性も多く、女性が働きやすい職場といえます。*

また、女性の海外駐在員もおり、昔に比べて随分と活躍する場所が増えて来ているようです。*

（*はopenworkに寄せられた社員口コミを参考に編集部作成）

　(3)双日の必要学歴・学歴フィルター

最新の採用実績大学

学歴フィルター状況

双日の必要学歴・学歴フィルター

大学のランクは「Bランク」　以上

私立だと関関同立以上　国立だと上位国立総合大学が　最低ラインです。

総合商社は英語力を重視している事もあり、外国語大学や海外大学の採用は積極的にされています。また大学院卒からの採用も一定数あります。

Cランク以下である　中堅国立総合大学、成成明学、四工大から入社しようとすると、海外有名大学への留学経験が複数年ないと厳しいです。
※書類審査でフィルターがかかっている可能性もありますが。

　(4)双日の中途採用数　推移

双日の中途採用数　推移

この10年間で双日の中途採用人数は3倍以上増えてきています。
企業としては「即戦力」として期待でき、教育・育成コストが削減できる中途採用は大きなメリットです。また　昨今転職へのネガティブなイメージがなくなり転職することへののハードルも下がったため、中途採用市場に優秀な人材が増えていることも影響していると思われます。

ただし、人気企業なので非常に狭き門であることには変わりありません。

前職での実績、知識やノウハウ、これからの人生プランをしっかり整理し、企業が何を望んでいるのかをきちんと見極めることが必要です。

　(5) 双日の3年以内の離職率

双日では、3年以内の離職率は11.3％となっています。
離職率は10～20％台の企業が多いので離職率は平均的といえます。

社員の平均年齢は男性43.0歳　女性38.0歳、平均勤続年数が男性15.8年、女性12.6年です。
女性の活躍の場も増え、女性の働きやすさも向上してきているのでこれから女性の平均勤続年数も伸びていくことが予想されます。

残業時間は業務や部署次第でかなり変わりますが、全社的に有給消化の推奨や残業時間の削減などワークライフバランス向上のための取り組みがされているので、働きやすさは数年前に比べて大分改善されているようです。*
（*はopenworkに寄せられた社員口コミを参考に編集部作成）