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介護職の給料をチェック!平均年収やボーナス、給料アップのポイントを解説

「介護職の給料をチェック!平均年収やボーナス、給料アップのポイントを解説」

二ーズの高まりとともに、就職先、転職先として注目を集めているのが介護職です。

ただ、介護というと「給料が安そう」「昇給率もあまりよくないんじゃ…?」などとマイナスの印象をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

 

そこでこの記事では、データにもとづいて介護職の平均給与や継続年数による給与額の推移など、介護職の給料全般についてわかりやすくまとめました。

 

記事の終盤には、介護職が給料を上げる具体的な方法もご紹介していますので、これから介護職を目指す方はぜひチェックしてみてください。

 

1.介護職の平均給与額

 

それでは早速、介護職の給料がどれくらいなのかみていきましょう。

 

介護業界では、利用者さんの身の回りのお世話をするヘルパーだけでなく、看護師・リハビリスタッフ・事務員など、多様な職種のスタッフが働いています。

 

下記の表は、介護に携わる職業それぞれの平均給与額を示したものです。

 

介護職員の平均給与額の状況_職種別

引用)厚生労働省「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」P10(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/19/dl/30gaiyou.pdf)

 

これによると、一般的な介護職の給与は月々300,970円で、看護師や理学療法士などに比べると、数万円低い金額であることがわかります。

この金額には、基本給・各種手当・一時金(ボーナス)が含まれており、年収に換算すると約360万円となります。

 

ちなみに介護職のボーナスは、下記の表「介護職員の平均給与額の内訳」に詳細な金額が載っています。

 

介護職員の平均給与額の内訳

引用)厚生労働省「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」P12(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/19/dl/30gaiyou.pdf)

 

表の中の「一時金(賞与額)」がボーナスのことで、平成30年度は48,420円でした。

 

この数字は、注意書きに「一時金は賞与その他臨時支給分として4~9月に支給された金額の1/6」とあるように、4~9月分のボーナスを1カ月分に換算した金額であり、半年分で290,520円、1年分では581,040円となります。

 

ここでご紹介した金額はあくまで平均ではありますが、介護職の給料についておおよその目安となるのではないでしょうか。

 

 

 

2.介護職の給料はなぜ低いのか?

 

上でご紹介した「介護従事者等の平均給与額」の表を見ると、介護職員の給与は調理員に次いで安く、介護従事者たちの中でもとくに低い水準であることがわかります。

 

また、国税庁が公表した日本全体の平均年収は441万円であり、介護職の年収は平均よりも約80万円低くなっています。*1 

 

介護職員が日々こなしている業務内容からすれば、「十分な給料をもらっているとはいえない」という印象を持つ方もいるのではないでしょうか。

 

介護職員の給料が低い理由としてまず考えられるのは、無資格でも働けるという点でしょう。

介護に関する資格はいくつかあるものの、現状では資格がなくても介護施設等で仕事をすることは可能です。

こうしたことから、医療職や理学療法士などの専門性の高い職種に比べると、介護職の専門性は低く、「誰にでもできる仕事」と思われている実情があります。

実際に仕事をしてみると、介護の仕事には多くのスキルが必要とされ、決して「誰でもできる仕事」と一括りに語ることはできないのですが、世間にはなかなか理解されにくい部分かもしれません。

 

それに加えて、介護事業者がサービスを提供した際にもらえる介護報酬には上限があることも影響しています。

事業所に入るお金が増えなければ、当然職員に支払う給料を上げることは難しいでしょう。

 

これらの点が、介護職の給料が低い要因になっていると考えらます。

 

 

 

3.今後、介護職の給与は上がるのか?業界の動向をチェック!

 

果たして今後、介護職の給料が上がる可能性はあるのでしょうか。

 

高齢化率の上昇にともない、介護職の需要が高まっていることは間違いありません。

ところが、介護の現場は常に人手不足が問題となっており、その原因のひとつが給料の低さにあると指摘する声も多くあります。

 

ではここで、介護職の昇給についてチェックしてみましょう。

下記のデータは、勤続年数別の平均給与です。

 

介護職員の平均給与額の状況_勤続年数別

引用)厚生労働省「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」P13(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/19/dl/30gaiyou.pdf)

 

これによると、勤続年数が伸びるにつれて給与額がアップしていることがわかります。

とはいえ、勤続10年以上でも1年目の新人に比べて約6万円程度しか昇給しておらず、家族を養わなければならない人にとっては少々心もとない状況かもしれません。

 

さて、これから介護職に就こうと考えている方は、介護業界の今後の動向も気になるところでしょう。

業界の動きを探る際にまず考えなければならないのが、新型コロナウイルスの影響です。

これは例年にない現象で、介護業界でも大きな打撃を受けた事業所が少なくありません。

 

「会社四季報 業界地図」には、以下のように記述があります。

 

「介護業界は中小零細事業者が多く、人手不足に加え新型コロナの感染拡大で事業継続が難しくなる事業者も出てくるだろう。介護ロボットの導入など積極投資を行える大手を中心としたM&Aも活発になりそうだ。MBO(経営陣参加の買収)を実施し社外ノウハウを生かして再成長を期す最大手のニチイ学館や、メガ損保SOMPOホールディングス傘下のSOMPOケアなどが、業界再編の中心になるとみられている。」*2

 

どんなに介護スキルの高いベテランでも、働く事業所によっては残念ながら技術に見合った給料が得られないケースもあります。

給与面を重視するのであれば、業界大手や、積極的に事業拡大を目指している企業を中心に就職活動をするのもひとつの手段でしょう。

 

 

 

4.介護職員が自力で給料を上げる方法

 

ここからは、介護職員が自ら給料アップのために実践できるノウハウをご紹介します。

 

①資格をとる

介護職の給与は、資格の有無・種類によって変わってきます。

下記は保有資格別の月給を示した表ですが、有資格者は資格のない人に比べて資格の種類にかかわらず給与額が上回っており、介護福祉士と無資格者では5万円もの開きがあります。

 

介護職員の平均給与額の状況_保有資格別

引用)厚生労働省「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」P15(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/19/dl/30gaiyou.pdf)

 

月5万円というと、年間では60万円もの差になります。

介護職として働く際に、資格を保有していることがいかに有利か、お分かりいただけるのではないでしょうか。

 

 

②夜勤を増やす

手っ取り早く給与を上げる方法として、「夜勤」があります。

介護施設などでは、夜勤1回につき数千円から高いところでは2万円以上の夜勤手当てが支給されるため、夜勤の回数を増やせばそれだけ収入を上げることができます。*3

 

さらに効率的に高い収入を得るには、「夜勤専従」という働き方もあります。

夜勤専従とは、日勤のない夜勤のみの勤務のことです。

家族と同居している方にとっては難しい働き方かもしれませんが、場合によっては選択肢の一つになるでしょう。

 

 

③キャリアアップする

給料が低いといわれる介護職ですが、現場で経験を積んでいけば、リーダー、主任、エリアマネージャー、施設長といった上位職への道も開けてきます。

キャリアアップをするには、介護スキルの習得はもちろんのこと、リーダーシップやトラブル対応など管理者としての資質も求められますが、そのぶん高い収入を得ることが可能です。

 

 

④待遇のよい事業所へ転職する

介護職の給料は、基本給はもちろんのこと、夜勤手当や残業手当などの額が大きく影響してきます。

給与体系、各種手当が充実している施設で働けば、仕事内容や勤務時間はそのままでも給料アップが期待できます。

とくに夜勤手当の金額は事業所によって大幅に異なるので、必ず事前に確認しましょう。

 

 

 

5.まとめ

 

介護職の給料は、確かに他業種に比べて低めといえますが、資格取得や働き方の見直しで収入アップにつなげていくことも十分可能です。

介護業界は今後ますます活気づいていくことが予想され、働き手にとってはこの上ない売り手市場でもあります。

ぜひ資格取得も視野に入れ、より有利に働く方法を検討していきましょう。

 

参考文献/参考サイト
*1国税庁「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」~ハ.平均給与(ページ中央)
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2019/minkan/index.htm
*2書籍「会社四季報 業界地図」東洋経済新聞社 P263
*3日本医療労働組合連合会「医療労働2020年2月号」P29
http://irouren.or.jp/publication/3a88a931d8f0180db264e1e337a77f58415def1b.pdf
執筆者
名前:渡辺有美
プロフィール:マネー・介護・福祉が専門のフリーライター。
独身時代は、都市銀行にて支店勤務ののち秘書室で役員秘書として従事。結婚退職後、介護福祉士の資格を取得し、福祉施設や訪問介護での勤務を経て、2016年よりライター活動を始める。Webメディアを中心に読者の方の役に立つ記事を多数執筆中。
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