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100年に一度の変革期に小型車で挑む ダイハツの採用情報と傾向、就活対策などについて

100年に一度の変革期に小型車で挑む ダイハツの採用情報と傾向、就活対策などについて

 

「ミラ」「ブーム」「タント」など軽自動車のほか、小型車で大きなシェアを占めるダイハツは、大阪に本社を置くトヨタ傘下の自動車メーカーです。

海外ではインドネシアとマレーシアでの現地生産を拡大しており、「モノづくり」だけでなく「コトづくり」、そして地域密着を意識し、MaaS、CASEへの取り組みでも注目されています。

 

ダイハツの採用情報、傾向や就活にあたって意識したい点などを見ていきましょう。

 

 

1.ダイハツの募集職種と初任給など

 

ダイハツの募集職種は、大きく2種類に分かれます。そして具体的な仕事内容は以下のようなものです。

技術部門 研究開発、車両設計、エンジン設計、電子技術、電動車両・HV車両開発、コネクティッドカー開発、自動運転技術、実験、試作、IT技術、生産技術、制御技術、品質保証、調達、生産管理 ほか
事務部門 商品企画、国内企画、海外、経理、調達、生産管理、情報システム、人事、法務 ほか

 

採用人数は年々増加していて、

2016年 98名

2017年 126名

2018年 152名

2019年 158名

2020年 159名

 

となっているほか*1、初任給は、

・博士了:255,500円

・修士了:234,000円

・学部卒:212,000円

・高専、短大、専門卒:184,000円

 

となっています*2。

 

2.ダイハツの求める人物像と「100年に一度」の業界改革

 

ダイハツの求める人材像は以下のようなものです。

採用メッセージ
・自分に限界をつくらず、志を実現するまで立ち向かえるThoughさ。
・あらゆる可能性を求め、枠を超えて様々なことに取り組めるMultiさ。
・多くのニーズにこたえるため、世界のどこでも活躍できるGlobalさ。

<引用「採用メッセージ」ダイハツ工業>

 

職種問わず、こうした人材像にマッチするかが重視されています。

 

自動車業界は現在、100年に一度の大改革期にあると言われます。

ダイハツは「MaaS」だけでなく、「CASE」への取り組みを急いでいるさなかにあります。

「MaaS」についてはよく知られているかもしれませんが、「CASE」というのはハード面でのクルマの進化の方向を示すキーワードで、4つの言葉の頭文字を取ったものです。

 

・Connected(コネクテッド)

・Autonomous(自動運転)

・Shared&Services(シェアリングとサービス)

・Electric(電動化)

 

コネクテッドは、言ってみれば通信機能です。wi-fiの搭載でエンターテインメントの幅が広がるだけでなく、5Gの本格運用や自動運転技術の普及ではGPSとの高速通信、あるいは車同士の通信によって事故を避けるなど欠かせない技術です。

 

また、シェアリングの普及は車にお金をかけない、という需要の表れです。

個人が所有するものであれば高級感も必要とされますが、移動できれば良いというカーシェアリングの広がりに対応していくには、低コストで燃費性能の高い車体を市場に投入する必要があります。

 

そして、電動化です。ハイブリッドや電気自動車を増やしていく試みは、環境問題解決の一環として以前からあるものです。

 

当初は後手に回りながらも、ダイハツは大きな変革を成し遂げました。

2016年から取り組んできたの「DNGA(=ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」、そして「ダイハツコネクト」です。

特にDNGAは全社的な製造工程の見直しによって実現した開発・製造手法で、軽自動車や小型自動車の部品の7~8割を共通化することでコストダウン、海外への新車投入までの期間を短縮することに成功した計画です。

これによってコストを1割削減し、CASEに投資するとしています*3。

「良品廉価」「シンプル・スリム・コンパクト」はもともとダイハツのモノづくりに根付く価値観でもあります。

 

また、2019年11月に発売されたコンパクトSUVである「ロッキー」では、スマートフォンと車が連携できる「ダイハツコネクト」のサービスを開始しています。

こちらも、CASE対策を見据えた具体的な商品開発です。

 

このように「変革」の時期を迎えている自動車業界の中でダイハツは、2017年からキャリア採用を開始しています*4。

多様なバックグラウンドの人材が集まり、意見を交わす職場になっているでしょう。

 

 

3.ダイハツの社風と「地域密着」「コトづくり」

 

ダイハツの社風について若手社員の座談会では、

「若手社員座談会」ダイハツ工業
・まずは自分でやってみる、わからなければ質問するという風土
・会社全体にオープンな雰囲気
・関西企業ならではのノリの良さみたいなものもあるのかも
・若手のうちから大きな仕事を任せてもらえたり、チャレンジさせてもらえる環境

<引用「若手社員座談会」ダイハツ工業>

 

といったものが挙げられています。

 

オープンであると同時に、地域性が高く、現在は「いくつになっても自由に移動できる自立した生活をサポート」するという理念のもと、自治体、理学療法士協会などと協力して様々な講習会を開くなどしています。

 

「モノ」だけでなく「コト」を作る、として、東京ディズニーランド/シーのオフィシャルスポンサーでもあります。

また拠点を置くインドネシア、マレーシアの国技であるバドミントンについて、日本も含めた3か国での世界大会を開催し、また日本代表のスポンサーも務めています。

 

会社の中だけでなく、その周辺についても意識する広い視野を持ち、拠点やその地域の人々のことについて考えてみるのも良いでしょう。

MaaS、CASEについての基礎知識や、ダイハツの技術で何ができるかを考えておくのもひとつです。

なお、MaaSでは、ダイハツは国際オートアフターマケットEXPOで大賞を受賞しています*5。

 

 

4.ダイハツへの就活で参考にしたいサイトとまとめ

 

まず基本情報としてダイハツの会社案内や、中期経営計画を含む会社概況データブックはこちらからダウンロードできます。

「会社概要」:リンク

 

また、新スローガンとなっている「Light you up」の詳細はこちらです。

「スローガン・ビジョン」:リンク

 

DNGAの紹介資料は下からダウンロードできます。

「DNGA」:リンク

 

 

軽・小型自動車ならではのモビリティや、小型だからできることを追求するのがダイハツの最大の特徴です。

このような他社との違いについて押さえ、選考に臨んで下さい。

 

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執筆者 清水

2002年京都大学理学部卒業後、TBSに主に記者として勤務。社会部記者として事件事故やテクノロジー、経済部記者としては企業活動から金融まで経済全般を幅広く取材。CSニュース番組のプロデューサーも務める。フリーライターに転向後は、取材経験や各種統計の分析を元に、お金やライフスタイルなどについて関連企業に寄稿。趣味はサックス演奏。自らのユニットを率いてライブ活動を行う。

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