オリックスは独立系リースとして国内首位であり、業界において先駆的な企業です。
近年では、銀行、生保、資産運用、事業投資など、総合金融会社としても存在感を示しています。
今回は、リース業界のNO.1企業であるオリックスの、採用情報や就活対策などについて詳しく解説をしていきます。
オリックスに就活を検討している新卒の方は、ぜひ、参考にしてください。
1.オリックスの会社概要
ここでは、オリックスの概要について簡単に解説をしていきます。
①オリックスの企業理念
オリックスの経営理念は
「オリックスは、たえず市場の要請を先取りし、先進的・国際的な金融サービス事業を通じて、新しい価値と環境の創造を目指し、社会に貢献してまいります」
というものです。
また、オリックスでは、「21世紀におけるExcellent Company」を目指すために、企業行動憲章ともいうべき「EC21」を定めています。
「誇り」「信頼」「尊敬」の3点を重視しながら企業活動を実践し、市場に高く評価され、広く世の中から尊敬されることを目指している企業です。*1
②オリックスはリース国内首位、総合金融会社へと発展
オリックスはリース業界ではトップの地位にあり、銀行や生保などの金融事業も積極的に展開しています。
リーマンショックも乗り越え、高収益体質を確立しているのが特徴です。
その他、M&A分野でも躍進し、2013年には資産運用大手のロベコ社(オランダ)を買収。
また、金融以外にも次々と事業を展開し、近年では環境エネルギーや空港運営などにも着手し、不動産では子会社の大京と一体経営を推進しています。*2
2.オリックスの採用情報・従業員データ・待遇面
ここでは、オリックスの採用情報・従業員データ・待遇面などについて詳しく解説をしていきます。
①オリックスの募集要項
オリックスで募集されている職種は、「総合職」と「一般職」に分かれています。
ここでは、それぞれの募集要項をご紹介していきましょう。
【募集要項】
職種 | 総合職 | 一般職 |
応募資格 | 卒業後3年以内で、就業経験のない場合は新卒として応募可能 | |
募集学科 | 全学部・全学科 | |
初任給 | 【全国グローバル】 修士了 270,000円 四大卒 240,000円 【首都圏エリア】 修士了 262,000円 四大卒 232,000円 |
四大卒 205,000円 短大卒 193,000円 |
勤務時間 | 9:00~17:00 フレックスタイム制度あり |
|
休日休暇 | 週休完全二日制(土日祝)他 | |
福利厚生 | 保養所・持株会・スポーツクラブ優待・クラブ活動 他 |
図2 参考)オリックス「募集要項 総合職」「募集要項 一般職」(https://www.orix.co.jp/recruit/recruitinfo/requirements.html)を参考に筆者作成
②オリックスの従業員のデータ
オリックスの2019年における従業員データは下図3の通りです。
【オリックスの従業員データ】
従業員数 | 全体3,347人(平均年齢41.7歳・平均勤続年数16.0年) 男性1,871人(平均年齢42.7歳 平均勤続年数16.4年) 女性1,476人(平均年齢40.3歳 平均勤続年数15.5年) |
離職率 | 3.90% |
3年後新卒 離職率 | 3.90% |
平均年収(総合職 平均42歳) | 1,081万円 |
図3 参考)就職四季報 総合版 2021年 「オリックス」P243を参考に筆者作成
図3のデータを参照すると、オリックスの平均年齢は全体で41.7歳、平均勤続年数は16.0年となっています。
男女別では、男性の平均年齢は42.7歳、平均勤続年数は16.4年。女性の平均年齢は40.3歳、平均勤続年数は15.5年です。
従業員数は男性が全従業員数の約56%を占めており、男女の比率としては女性より、やや多めです。ともに、平均年齢が40歳前後で、平均勤続年数も15年を超えています。
総合職の平均年収(平均42歳)は1,081万円です。
③オリックスへ入社後の休暇・育休の実態
オリックスに入社した後の、有給などの取得日数、育休の取得者数などをまとめた表は下図の通りです。(下図4)
夏季休暇は有給で取得となっており、有給取得率は約70%と高い方です。
育休取得者数は70名で、男性の取得者は0名となっています。
【オリックスに入社後の休暇・育休の実態】
夏季休暇 | 原則5日以上(有給で取得) |
年末年始休暇 | 12月30日~1月3日 |
有給取得 | 14.0/20日 |
育休期間と取得者数 | ・3歳になるまで ・取得者数は70名(男性は0名) |
図4 参考)就職四季報 総合版 2021年 「オリックス」P243を参考に筆者作成
3.オリックスが求める人材や採用・試験情報
ここでは、オリックスが求める人材像やエントリーの流れ、試験情報などについて詳しく解説をしていきます。
①オリックスが求める人材像
オリックスが求める人材像は「クリエイティビティ、チャレンジ、チームプレイ、社会に新しい価値を創り出す人材」です。*3
②オリックス新卒採用のエントリーの流れ
エントリーの流れとしては、こちらの順番で行っていきます。
【総合職:4月~5月】
- WEB適性検査(4月~5月)
- ES提出・筆記・面接(3~5回)・人事面談
- 内々定 *4
③オリックス新卒採用の試験情報
試験において重視される科目は「面接」です。
【選考ポイント】
1.総合職
過去のESテーマは非公開。
面接ではコミュニケーション能力、主体性、判断力、論理性、チャレンジ精神などを問われます。
また、自ら考え、自分の言葉で発信や行動が出来る人を評価する傾向にあります。*5
④オリックス新卒の採用数と採用実績校
オリックスにおける各部門の採用数をまとめた表がこちらです。(下図5)
【採用数:総合職】
年度 | 総合職 |
2018年 | 191名(男106 女85) |
2019年 | 205名(男123 女82) |
2020年 | 176名(男107 女69) |
図5 参考)就職四季報 総合版 2021年 「オリックス」P243を参考に筆者作成
採用実績校は下記の通りです。
【2020年 採用実績校】
文系:【院】京大・東京外大【大】京大・阪大・神戸大・一橋大・早大・慶大・上智大・千葉大・筑波大・東京外大・東京学芸大・埼玉大・滋賀大・三重大・日大など *6
4.リース業界の業績が変調
今までは、景気の拡大や低い調達金利という有利な環境に置かれていたリース業界ですが、近年での業績には、変調が見られています。
①国内リース市場は頭打ちが続いている
図7はリース事業協会が調査した「リース取扱高・リース比率の推移」のグラフです。
国内リース市場は2013年度に取扱高が盛り返しましたが、その後は大きな変動は見られず、頭打ちが続いている状態となっています。
また、大手各社はここのところ、海外展開などで順調に業績を伸ばしていました。
しかし、新型コロナによる影響が航空業界を直撃し、レンタカーやホテルなどの事業運営にも業績低下の懸念が強まっている状況です。 *7
②業界全体が視界不良な中でも圧倒的な強さを誇る
新型コロナの影響で、企業の設備投資に後退が見られるなど、現在のリース業界は、他の業界と同様にいささか厳しい状況となっています。
ただ、図7を参照すると、オリックスはリース業界の中でも、3兆3,498億円というダントツの契約実行高を誇り、営業資産残高も10兆9,059億円と、圧倒的な強さを持っている企業です。
近年では、三井住友ファイナンス&リースなど、銀行系のリース会社が続々と業績を伸ばしているものの、オリックスは独立系のリース会社としてトップの位置にあり、揺るぎない存在感を示しています。
【リース業界 契約実行高ランキング】
順位 | 企業名 | 契約実行高 | 純利益 | 営業資産残高 |
1位 | オリックス | 3兆3,498億円 | 3,027億円 | 10兆9,059億円 |
2位 | 三井住友ファイナンス&リース | 2兆4,892億円 | 612億円 | 5兆2,693億円 |
3位 | 三菱UFJリース | 1兆8,817億円 | 707億円 | 5兆2,284億円 |
4位 | 東京センチュリー | 563億円 | 4兆7,729億円 | |
5位 | NTTファイナンス | 5兆3,637億円 | 127億円 | 3兆7,363億円 |
図7 参考)会社四季報「業界地図 2021年」リースP142
5.オリックスのまとめ
今回は、国内リース会社のトップ企業である「オリックス」について詳しく解説をしていきました。
オリックスは、営業資産残高が10兆9,059億円(図7)を誇る、日本を代表するリース会社です。
今後も力を入れる事業として、国内外の環境事業や不動産事業などを視野に入れています。
今後も多角的な視点から様々な事業にチャレンジしていき、新しい価値観を世の中に創り出していく企業でしょう。*8
*2・3・4・5・6・8 参考)就活四季報 総合版 2021年 「オリックス」P243
*7 参考)会社四季報「業界地図」2021年版「 リース」P142
資料)就活四季報 総合版 2021年 「オリックス」P243
資料)就職四季報 総合版 2021年「ES出題テーマ」
資料)会社四季報「業界地図」2021年版「リース」 P142